アノニマスであることの本質
筆者は以前にも指摘したが、アノニマスのような集団に何かを帰属させることは困難だ。2000年代初頭に誕生したアノニマスは分散型のハッキング集団であり、ビデオを投稿するなどの行動を起こすだけで、誰もがその集団の一員であると主張することが可能だからだ。
しかし、だからと言ってアノニマスがもはや存在しないというわけではない。2020年6月にロイターは、ブラック・ライブズ・マター(BLM)運動の高まりの中でアノニマスが、警察のウェブサイトへの攻撃に関与したとの記事を掲載した。その記事中で、アノニマス関連書籍の著者であるマギル大学のガブリエラ・コールマン教授は、アノニマスの主要メンバーの一部が、その攻撃に関わったとの情報を得たと述べていた。
今回の脅迫ビデオが、本当にアノニマスによるものなのかどうかは不明だ。しかし、それよりも気になるのは、この「警告」でイーロン・マスクがぐっすり眠れなくなる可能性だ。マスクは、このビデオについて直接的には言及していないが、その後「憎む相手を殺すのではなく、愛する者を救え」とツイートした。