米国でコロナ後のベビーブーム発生へ、ミシガン大学が予測

Mario Tama/Getty Images

パンデミックの初期段階では、人々の不安が高まったことなどを受けて数カ月の間、出生数が減少していたが、新たな研究で、今年の夏から秋にかけてベビーブームが起こると予測されている。

ミシガン大学の研究者らは、彼らの病院で妊娠した人たちの健康データを用いて、今年の夏以降に出生数が急増し、パンデミック前の水準を上回ると予測した。6月3日にJAMA Network Openに掲載された論文によると、この予測モデルは直近の冬の終わりまでの出生数の減少を正確に予測していたという。

研究チームは、今年の夏から秋口にかけての彼らの病院での出生数が、平年を10%〜15%上回ると予測している。対照的に、パンデミックが始まってから数カ月間の妊娠の件数は平年を14%下回っていた。

今回の論文の筆頭著者で、ミシガン大学のVon Voigtlander女性病院のMolly Stoutは、「直近の出生数の減少は、2020年3月のロックダウン以降の妊娠数の低下が原因となっていた。生殖に関する選択は、危機の際に起こる社会的な不安の高まりの影響を受ける」と述べている。

「出産件数が急増していることは明らかだ。私たちのクリニックは満員御礼だ」とStoutは語っている。

今回の調査は、ミシガン大学の病院での出産を対象に行われたもので、全国的な傾向を探る目的で行われたものではなく、人口統計学的な詳細にも踏み込んでいない。しかし、Stoutは、「私はこれがミシガン州のみの動きだとは考えていない」と述べ、今回の調査結果を他の州や全米のデータと比較したいと考えている。

ペンシルバニア大学の人口統計学者であるHans-Peter Kohlerは、特定の大病院での出産の増加は、パンデミックを心配した妊婦らが、感染対策が充実している病院を選んだ結果かもしれないと述べている。

しかし、Stoutによると、調査対象の妊婦らの居住地は以前との比較で変化しておらず、遠隔地から車などでやってくる妊婦は増えていないという。

編集=上田裕資

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