そのため両社の臨床試験は、ワクチンの有効性を明らかにするには「不十分だった」と指摘されている。WHOもまた、高齢者に接種した場合の有効性については懸念があるとの見方を示している。

その他、論文の著者らは、重症化と無症状の感染を防ぐという面での有効性については、これらの臨床試験の結果から「結論を導き出すことはできなかった」と述べている。

フォーブスはこの件についてシノファームにコメントを求めたが、返答は得られていない。

ワクチンは外交ツール


中国は、自国の国営企業が開発したワクチンの品質と有効性を、かたくなに擁護している。「パンデミックと戦う上での効果的な、かつ必要なツール」として、臨床試験が終了する前に接種が開始されたこのワクチンは、中国にとってはコロナ禍での外交政策上、重要なツールとなってきた。

両社のワクチンはどちらも、WHOと米食品医薬品局(FDA)が緊急使用を認める最低基準、50%の有効率を上回っている。この下限は、これを満たしていれば、ワクチン需要が供給を大幅に上回る世界において、命を救うために多大な影響を及ぼすことが可能と考えられる数値だという。

だが、今年3月からシノファーム製ワクチンのブースターショットを開始していたUAEは、接種を完了した人たちを対象として、ひそかにファイザー製のワクチン接種を進めていると伝えられる。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、再び接種を受けたことを同紙に明らかにした人は、「数十人いる」。その中には、シノファームのワクチン接種を受けた後も、抗体が確認されなかった人がいるという。

編集=木内涼子

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