BMWも採用の業務改善ツール
投資家は、セロニスが今後さらに大きな市場に参入できると考えている。今回の調達を主導したDurableのヘンリー・エレンボーゲンは、「セロニスのコアスペースは非常に大きく、様々な可能性が秘められている」と述べた。
BMWのような顧客の場合、セロニスは、受注から製造、販売店、購入者に至るまで、あらゆる過程を追跡し、改善点を明らかにしていく。同社のツールは、自動車メーカーの塗装工場にも導入され、品質不良の排除に貢献している。
セロニスの売上は約2倍のペースで伸びており、今年中に4億ドルを超える見通しだ。同社は、営業チームやサポートチームへの重点的な投資や、小規模な買収を検討している。
企業価値が110億ドルに達し、ドイツとニューヨークで最も高価値なスタートアップとなったセロニスは、IPOを準備中だが、出資元のTロウ・プライスのTaymour Tamaddonは、「上場は急いでいない」と述べた。
共同CEOのリンケも、IPOは「夢の一部」だと述べつつも「それほど興奮することではない」と話した。彼によると、上場よりも年内のカーボンニュートラルの達成や、多国籍企業のサステナビリティ向上を支援することを重視しているという。
「私の夢は、セロニスを社会に大きなインパクトを与える企業にすることだ」と彼は話した。