コロナ禍後の「リベンジ買い」、欧米でも始まる

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マッキンゼー・アンド・カンパニーが2021年3月に発表した報告書「The Consumer Demand Recovery and Lasting Effects of COVID-19(消費者需要の回復と新型コロナウイルス感染症がもたらす持続的な影響)」によれば、米国では2020年に家計貯蓄が3兆ドルに達し、2019年の1兆5000億ドルから倍増している。

高所得者層の場合、米国における高級品の消費回復については、中国やロンドンの流れが再現されるとみられる。最富裕層の消費は、2022年までにはパンデミック前の水準に戻るだろう。

とはいえ、マッキンゼー報告書が指摘するように、消費回復が公平に進むわけではない。若年層と低所得者層は、パンデミックに起因した失業や不安定な雇用で大きな影響を被っているからだ。外食をしたり、継続するDIYブームに乗って家庭用品やガーデニング用品に散財したりすることはあるだろうが、この層は、インフレと、市場での物不足による物価上昇で苦しむことが増えるだろう。

ショッピングモールや繁華街の店舗が営業を再開しつつある今、米国の小売業界はどのようにして、新たな小売動向を把握し、計画を立てればいいのだろうか。賢明な小売業者なら、顧客の声に耳を傾け、適切な商品を、適切な価格で提供して利益を得るだろう。小売専門メディア「リテール・ダイブ」はこう指摘する。

「小売店は、自分たちの主要顧客層がどういった階層に属しているのかについては把握できているかもしれないが、顧客の経済状況については十分に理解できていない可能性がある。こうした状況は、品ぞろえや価格設定、マーケティングをはじめ、事業のさまざまな要素に影響を及ぼすだろう」

顧客の声に耳を傾けることは、かつてないほど重要になる。また、ツールやサービスが多数登場していることから、これまでになく簡単にもなりつつある。現在は、顧客が望む商品を適切な価格で提供すれば、確実に売上へとつながる貴重な販売チャンスだが、顧客の声を把握できなければ、こうしたチャンスを見逃してしまう。

ダイヤモンドの飾りがついたバーキンだろうが、単なるジーンズ1本だろうが、顧客が欲しがるのなら、小売店はその願いをかなえなくてはならない。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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