エディスコーワン大学のプロジェクトマネージャーを務めるメロディ・カスリス(Melody Kasulis)は、この調査を実施した理由を次のように説明している。
「パンデミックが、我々のメンタルヘルスをどれだけ損ねているのか、その程度を正確に知りたいと考えた」と、カスリスは話す。「多くの職が失われると同時に、医療面の福利厚生も失われた。仕事を失った人の37%以上で、そうした状態がメンタルヘルスを悪化させていることがわかった」
パンデミックの影響で収入が減ったと回答した人は全体の21%。そのうち、減給がメンタルヘルスに悪影響を与えたと回答した人は、男性では28%だったのに対し、女性では42%だった。学校がリモート授業になったことで子どもが家にいることがメンタルヘルスに悪影響を与えたと回答した人も、女性では男性の2倍にのぼった(女性14%に対し、男性は6%)。
この調査では、国ごとの回答者の比較は公表されていないが、米国とオーストラリアの研究では、この2カ国の感染者数と死者数がまったく違うにもかかわらず、いずれもパンデミック中にうつ病と不安症の割合が増加したことが示されている。
世界全体で見ると、パンデミック中のうつ病の推定有病率は25%にのぼる。これは、パンデミック以前の水準(4%未満)と比べて7倍という高率だ。
メンタルヘルス治療へのアクセスしやすさは、国によって異なるかもしれない。しかしそのニーズは、どの国でも同じように存在する模様だ。