そして、環境の変化に呼応するように、成果主義、ジョブ型、ギグワークなどが新たな働き方のスタイルとして勃興し、日本にも定着しようとしています。
これらのコンセプトは、現在の変化の激しい経済環境に対応することを目的とした雇用制度の転換であり、企業が臨機応変に対応するためのレジリエンス(柔軟性)を獲得するためのものとも言えるのではないでしょうか。そうだとすれば、これは企業としては至極自然な施策の流れであるといえます。
このように、企業は環境への適応をするために変革を進めてきたようですが、働く私たちも、企業との関係性を見直していく必要があると考えます。
今回は、私のこれまでの経験から、今後企業とともに歩んでいく人々に必要であろうと思われる仕事の流儀について紹介したいと思います。
面白いものを追い求めて仕事をする
私はこれまで、ただただ「面白い」仕事を追い求めてやってきました。これまでキャリアパスというものを描いたことがなく、したがってキャリアのゴールもありませんでした。そして、常々、仕事との向き合い方には、「自らやる」と「誰かにやらされる」の2つがあり、仕事の結果には「成功する」と「失敗する」の2つがあると考えてきました。
この仕事に対する2種類の向き合い方と2種類の結果で、いちばん良い組み合わせは「自らやり、成功する」であり、最も避けたいのは「誰かにやらされ、失敗する」です。
また、キャリアについては自分でつくるものではなく、面白い仕事を追い求めた結果として、私の歩いた後にただ残るものという感覚でいます。なので、最初からキャリアについて考えるのではなく、むしろ、次の面白い仕事をするためにはどのような専門知識やスキルが必要なのかを、常に考え学んできました。
いまも私は当時と変わらず、自分のキャリアへの興味は希薄で、面白い仕事を追い求めています。たぶん今後も変わらないでしょう。それは単純に面白い仕事でなければ高い集中力は維持できませんし、スピード感を持って仕事を進めることが難しいからです。結果として会社への貢献もできないことになります。
このように私が面白い仕事を追い求めてきた他の側面としては、キャリアを自分でコントロールすることはできないという現実もあります。企業で働く私たちは、企業の決定に従い役割を与えられています。ですから、キャリアの希望は持っていても、企業側のさまざまな事情によって自身のキャリアは決まっていきます。