Close RECOMMEND

U30と考える「ソーシャルグッド」

連載「U30と考えるソーシャルグッド」 ゲストは、戦略・金融コンサルタント、ニューラルCEOの夫馬賢治

昨年10月のカーボンニュートラル宣言から、再び日本で盛り上がりを見せる気候変動問題。近年では、ESG投資への注目も高まっている。しかし、この動きに注目しているのは投資家だけではない。

U30世代の若者が社会に対して感じるモヤモヤを、第一線で活躍する大人にぶつけて、より良いヒントを探る連載「U30と考えるソーシャルグッド」。今回のテーマはコロナ禍でさらに注目が集まる「ESG投資」。戦略・金融コンサルタントとして活躍するニューラルCEOの夫馬賢治さんに、NO YOUTH NO JAPANのメンバーが、日本企業の環境対策について率直に疑問をぶつけた。

(前回の記事:望まない改姓は「社会的な死」 選択的夫婦別姓を阻む、日本の事情

世界では、多くの若者が「大人たち」に気候変動への対策を求め、声をあげている。日本も例外ではなく、特にZ世代の若者たちは企業の本気度を注視している。気候変動問題に真摯に取り組む企業の見分け方とは。また脱炭素に向けて日本企業は本当に変わるのだろうか──。

「環境や社会のことを考えてこなかったから、経済成長していない」


NO YOUTH NO JAPAN田中舞子(以下、NYNJ田中):世界のESG投資額は、現在約6000兆円にも上ると言われていますが、そもそもESG投資とは何かを簡単に教えてください。

夫馬賢治(以下、夫馬):Eは環境、Sは社会、Gはガバナンスのことで、リターンを上げるためにこれらの指標に注目する投資手法の1つです。最近では債券も出てきて、企業だけでなく、国にも対象が広がっています。

NYNJ田中:2020年10月に菅首相が、温室効果ガスの実質的な排出量をゼロにするカーボンニュートラル宣言を行い、いよいよ政府も気候変動対策に大きく舵取りをしたように感じます。

夫馬:そもそも、宣言に至るまでにいち早く動いたのは投資家たちでした。

2020年2月、数百兆円にも及ぶ運用資産を持つ国際投資家グループ6団体が、当時の安倍首相にNDC(温室効果ガス削減目標)の引き上げを求めました。

日本はパリ協定の目標値が低すぎるから上げなさい、と。2017年には、Climate Action 100+という団体が発足し、日本企業10社を含む世界167社をターゲットとして、カーボンニュートラルの宣言を企業に迫りました。これが、第1波と言えるでしょう。なので、菅首相が言う前から、ほとんどの日本人が知らないところで気候変動問題について話されていたのが実態ですね。

NYNJ田中:アメリカでは、リーマンショックが経営者の考え方に大きな影響を及ぼしたと言われていますが、今回のコロナショックで日本の経営者に変化はあったのでしょうか?

夫馬:結論から言うと変わったのですが、日本は1回バウンドしているんです。新型コロナが始まった2020年2月から5月頃まで、SDGsやESGという言葉は日本のメディアからパタリと消えました。主要メディアがこの流行は終わりだと思ったんです。そして、日本の経営者の考え方もこれと同じ道を辿った。

しかし、6月から風向きが変わります。この頃から日本経済新聞が、再びESGという言葉を使い始めます。というのも、フィナンシャル・タイムズなど海外のメディアがむしろバンバンそういう情報を発信するようになっていたからです。

文=田中舞子(NO YOUTH NO JAPAN)

環境問題
この著者の記事一覧へ

PICK UP

あなたにおすすめ