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CLASSIC PIONEER Stainless Steel with Black Dial ¥34,100、CLASSIC PIONEER Stainless Steel with White Dial ¥34,100

高級腕時計のシンボルとも目されていたムーンフェイズを搭載していながら、若者でも求めやすい価格の腕時計「カル・レイモン」はどのように生まれたのか? 誕生秘話をご紹介する。


18世紀のスイスに生まれたアブラアン・ルイ・ブレゲは、さまざま革新的な発明により時計の歴史を200年早めたといわれている天才時計師である。

彼が生み出したのは、たとえばトゥールビヨン、パーペチュアルカレンダー、ミニッツリピーター……現在も時計技術の最高峰といわれる複雑な機構の数々は、時計好きなら一度は手にしたいと憧れるものばかりだ。

2016年のある日、高級時計店のショーウィンドウの前に、ひとりの若者が佇んでいた。

慶應義塾大学で経済学を学んでいた留学生でもあったKは、就職活動を期に上質な腕時計を求めたいと思っていた。

皆がスマホを手にするこの現代にあって、腕時計は時刻を知るためだけのツールではない。

袖口からチラリとのぞかせることで自身のスタイルや価値観をスマートに表現するステータスアイテムであり、また時には自らを鼓舞し、自信を持たせてくれるようなお守りのような存在でもあるだろう。

「流行にとらわれず、長く使えるいいものが欲しい。でもそこまでの予算がない……」

世の多くの若者と同じような悩みを抱えたKは気づいた。

ないのなら、作ってしまえばいいのでは、と。

見渡せば、当時の腕時計業界は2極化の様相を呈していた。

一方はスイスメイドに代表される高級時計であり、もう一方はデザイン性を重視し、トレンドを盛り込んだファッションウォッチだ。

前者は数十万から数百万円するものも多く、なかなか手が出せるものではない。

後者は数万円で買えるが、過度に意匠を凝らしたデザインや、逆にミニマリズムの極致のようなシンプルなデザインで、ともに永続的に使えるものとは思えない。

そこで考えたのは、長く使えるクラシックなデザインでありながら、若年層でも手が出せるアクセシブルな価格帯の腕時計だ。

なかでもこだわったのはムーンフェイズ。


CLASSIC PIONEER Gold with White Dial ¥36,300

冒頭の天才時計師、ブレゲが発明したといわれるこの機構は、腕時計のダイヤル上に設けられた小窓が月の満ち欠けを表す。

この、高級腕時計のシンボルとも目されているムーンフェイズを搭載しながらも、気軽に購入できるウォッチがあれば……そう考えたKは、同じく慶應義塾大学で哲学を学んでいた留学生Lとともに起業し、クラウドファンディングで資金を募ることにした。

Text by Miyako Akiyama

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