起業家たちの「頭の中」

レノバ取締役会長 千本倖生(提供:DIMENSION NOTE)

千本倖生氏。第二電電(現KDDI)、イー・アクセス(現ワイモバイル)を創業し、いずれも巨大企業へと成長させた、いわずと知れた日本を代表する連続起業家だ。現在も代表取締役会長として株式会社レノバで再生可能エネルギー事業に心血を注ぐ一方、後進起業家の育成にも注力している。今回はベンチャーナビがそんな千本氏に特別取材を実施。起業家にとって重要な素養、日本の若手起業家に対するアドバイスなどについて聞いた(全2話中1話)


起業家は、リスクだけ取ろうとしてはダメ


──千本さんが考える、起業家にとって重要な素養をお教えください。

まずは「Sensitivity(感度)」が高いこと。鳥瞰(ちょうかん)をもって時代の大きな流れを見ることです。

今の時代でいうとAIが大きなトレンドになっているけれど、それが世界にとってどういう潮流をもたらしているのか。いま起きている事象に感度を高く持ち、それを大きな流れの中で捉えて観察することが重要です。

2つめは、「高い志」。

大きな潮流の中での矛盾や機会を見つけた時に、世のため社会のために「自分がやってやろう。戦おう」という心です。機会を見つけたときに、動き出せるかどうかは自分の中にしっかり芯、志を持っているかどうかにかかっているのです。

3つめは、「周到に準備すること」。

なんでもいいからとりあえずやればいいというわけではなく、人の3倍努力して、とことん準備をする。その上で最後にリスクをとることが大切です。

起業家にはすぐにリスクだけをとろうとする人が多いですが、それはダメ。ある意味で、起業家は「怖がり」でいいのです。怖がりで怖がりで、ものすごく準備をして、最後はリスクをとってジャンプをする。

そのような「慎重さと勇敢さ」という、二律背反の素養を兼ね備えている必要があるということです。

起業家といえば勇敢な人ばかりなイメージがあるかもしれないけれど、私の経験上、成功する確率が高いベンチャー起業家というのは怖がりで慎重、かつ最後はリスクをとれる人が多いですね。

──どうしたらその二律背反した素養を身につけられるのでしょうか?

小さな失敗を繰り返していていくことでしょう。これには4つめの素養として「Perseverance(継続的な忍耐心)」が必要です。

すぐ熱くなるが、すぐに冷めてしまうような人は起業家として大成しない。失敗しても、とことん食らいついて、しつこく継続できる忍耐心を持っていることが大切です。

文=伊藤紀行 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc.  編集=露原直人

起業家日本経済
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