コロナワクチン接種後のブレイクスルー感染は「少数」、米CDCが発表

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米国バイデン政権は2021年5月25日、新型コロナワクチンの接種を推進する上で新たな節目を超えた。18歳以上の成人のうち50%が、必要な回数の接種を完了したと発表したのだ。

5月下旬には、ほかにも良いニュースがあった。米国の感染者数が6週連続で減少し、2020年6月以来で最少、死者数も2020年3月以来で最少まで減少したのだ。

さらに、米製薬会社モデルナは、同社が開発した新型コロナワクチンが、12歳から17歳の未成年に対しても高い有効性があると発表。これにより、子どもへの接種見通しが高まった。

これらのニュースも素晴らしいことだが、最も期待できる知らせは、米疾病予防管理センター(CDC)が「ブレークスルー感染(ワクチン接種完了から14日経過以降に陽性反応が出る感染)」に関して発表したデータだ。

有効性100%のワクチンは存在しないが、2021年はじめから接種が進んだことで、新型コロナウイルスの感染拡大がうまく抑えられていることをCDCのデータは示している。2021年4月末までにワクチン接種を完了した人は推定1億100万人。そのうち、46州にまたがる1万262人が、ワクチンを接種したにもかかわらず感染した。入院者は995人、死亡者は160人で、死亡年齢の中央値は82歳。死亡した人のうち28人は無症状、または死因が新型コロナウイルスとは無関係だった。

CDCの調査対象となった2021年1月1日から4月30日のあいだは、米国全体で感染者数が高い水準で推移しており、4月24日から30日までの週の感染者は35万5000人だった。

ブレークスルー感染の発生は予期されていたことだ。特に、集団免疫が十分なレベルに達して感染者数がさらに減少するまでは、ブレークスルー感染が起きると見込まれている。しかし、感染するのはワクチン接種を完了した人のうちごく一部に限られるだろう。

米国で確認されたブレークスルー感染者数(2021年4月30日時点)


翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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