米国とスウェーデンの当局が「暗号通貨の規制」を示唆

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スウェーデンと米国の金融規制当局は、5月の最終月曜日のメモリアル・デーの週末にかけて、暗号通貨市場の取り締まりをほのめかした。この市場には一貫した枠組みが存在せず、金融犯罪や消費者のリスクが指摘されている。また、英国の複数の銀行が暗号通貨取引所への送金を停止したと報じられた。

新たに任命された通貨監督庁のマイケル・シューは、フィナンシャル・タイムズの取材に、米国の各機関が連携して暗号通貨の「規制の境界線」を設定し、より積極的な役割を担うべきだと述べた。

スウェーデン中央銀行のステファン・イングヴェス総裁は5月31日、ブルームバーグに対し、ビットコインをはじめとするデジタル資産には、マネーロンダリングに悪用される懸念もあることから、より厳しい規制が導入される可能性が高いと述べた。

監視の導入は、「地域ごとに異なる時期に行われる」見通しだとイングヴェスは述べている。

一方、スウェーデンの金融市場担当大臣のオーサ・リンドハーゲンはブルームバーグに対し、同国はすでに取引所の取り締まりを行っており、マネーロンダリングの問題に取り組むために世界中の他の規制当局と協力していると述べた。リンドハーゲンは、金融犯罪につきものの国境を越えた問題を強調した。

英紙テレグラフによると、英国のスターリングやMonzo、バークレーズなどの銀行が、ここ数週間で、金融犯罪の防止のために暗号通貨取引所への送金を停止しているという。

暗号通貨市場の極端なボラティリティや金融犯罪のリスク、人気の急上昇を受けて世界中の金融規制当局は、イノベーションを阻害することなく、必要なセーフガードを導入するための最善の方法を検討している。

スウェーデンと同様に独自のデジタル通貨を開発中の中国は、5月にデジタル資産を取引する金融機関を取り締まり、その結果、暗号通貨市場は30%近くも急速に縮小した。バイデン政権は、暗号通貨の監視における「ギャップ」に注視しており、SEC(証券取引委員会)のゲイリー・ゲンスラー議長は最近、下院委員会で、暗号通貨取引所を規制する法律が必要になる可能性があると述べた。

また、財務省の暗号通貨に関する取り組みでは、マネーロンダリングと不法行為が焦点となっているとされる。

バイデン大統領は、「米国家族計画(American Families Plan)」の財源となるキャピタルゲイン増税計画に、暗号通貨を盛り込もうとしている。これは、暗号通貨の取引で利益を得た人々への課税を強化する動きだ。

編集=上田裕資

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