ビジネス

2021.06.05

ネスレ傘下ブランド、植物ベースの食生活への移行を後押し

(c) Sweet Earth

ネスレ傘下のスイート・アースのミッションは、植物性食品の比重が大きい食生活へ移行する消費者の歩みを後押しすることにある。同社はその目標に向けて、バーベキューシーズンやスナックタイムなどの特定の場面に適した製品を世に送り出し、顧客からのフィードバックをもとに、植物ベース代替食の新製品や改良版を開発している。

スイート・アースのジェネラルマネージャーを務めるサラ・ウィーラー(Sara Wheeler)は、「この分野で見られる最大のポイントとして、5年前よりも現在のほうが、関心を持つ消費者がはるかに増えていることが理解されるようになっています」と語る。

植物性食品の比重が大きい食生活へ移行しようと努めている人は、消費者の60%を超える。このトレンドをメインストリームにするという目標が、スウィート・アースにおける新製品開発の原動力になっているとウィーラーは語る。

「まずは一歩下がって、消費者にとって、植物ベースの食生活へ向かう道のりはどんなものかを理解するようにしています」とウィーラーは言う。「消費者はまず、肉を減らすところから始めます。当社に求められているのは、消費者が今いるところでサポートすることです」

ウィーラーによれば、植物性食品を増やし始めたほとんどの消費者は、おもな動機として健康上の理由を挙げるが、その食生活を続けられるかどうかは、味覚的に満足できる選択肢を見つけられるか否かにかかっているという。

そのためには、風味豊かで、かつ馴染みのある製品を通じて消費者の味覚に訴え、消費者の食事や軽食の場面に応じた新製品を開発し、改良していくことが求められるとウィーラーは語る。

スイート・アースは2021年4月、植物性の新しい「チキン製品」を発売した。5月には、同様の条件に沿って開発された2つの新製品も発表した。そのうちのひとつが、2019年に発売した牛肉のような植物性バーガー「オーサム・バーガー」の初の改良バージョンだ。この「オーサム・バーガー2.0」は、より肉に近い質感と味を出すために、3種類の植物性タンパク質でつくられているとウィーラーは述べる。

新バージョンのバーガーでは、エンドウ、ソラマメ、アサ由来のタンパク質が使われている。これらの成分により、質感が高まるとともに、植物ベースの食事を追求する消費者に向けて、これまで以上に多様なタンパク質の選択肢を提供できるとウィーラーは指摘する。
次ページ > 植物性ジャーキー・スナック市場も成長中

翻訳=梅田智世/ガリレオ

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事