大坂なおみの決断をナブラチロワも称賛、「メンタルに配慮を」

大坂なおみ(Photo by Mustafa Yalcin/Anadolu Agency via Getty Images)

テニスの大坂なおみ選手は5月31日、自身のツイッターで全仏オープンの2回戦を棄権すると発表した。今回の決定は、彼女がメンタルヘルス上の理由で大会中の記者会見をボイコットしたことに対し、主催者から1万5000ドルの罰金を科されたのを受けてのものだ。

全仏オープンの主催者は5月30日、選手らに義務付けられた記者会見に応じなかった大坂選手に対し、1万5000ドルの罰金を科すと発表していた。

現在、世界ランキング2位の大坂選手は30日、ルーマニアのパトリチアマリア・ツィグををストレートで下したが、先週、試合後の会見でのメディアからの質問がアスリートのメンタルヘルスに有害な影響をもたらす場合があると発言した彼女は、記者会見を欠席した。

「私に(大会を)妨害しようという意図は全くなかった」と、23歳の彼女は31日にツイッターで述べ、「2018年の全米オープン以降、長い間うつ病に悩まされてきた」「記者会見で話す前には大きな不安の波に襲われる」と付け加えた。

「現在の状況は、私が数日前に投稿したときに想像も意図もしていなかったものだ」と、大坂は31日に述べた。「今は、大会や他の選手、そして私の健康のためにも、私が大会を辞退して、みんながパリで行われる試合に集中できるようにするのが一番だと思っている」

大坂選手は先週、ツイッターで全仏オープン期間中の記者会見を行わないと宣言し、その理由として、試合に破れた選手が会見の場で落ち込んでいた例を挙げ、メディアがアスリートのメンタルヘルスを軽視していると感じたからだと述べていた。「この状況は、落ち込んでいる人に追い打ちをかけているようなもので、私にはその理由が理解できない」

大坂選手が30日の記者会見を欠席したことを受けて、全仏オープンや全米オープンなど、世界で最も権威のあるテニストーナメントであるグランドスラム4大会の主催者は、「選手たちには試合の結果がどうであれ、メディアと関わる責任がある」と述べていた。また、大坂選手がさらにメディアへの対応義務に違反した場合、追加の罰金が科される可能性があるほか、パリ大会への出場停止、さらには将来のグランドスラム大会での出場停止の可能性もあると警告した。

ナブラチロワも大坂に賛同


大坂選手の大会棄権の発表を受けて、SNS上では著名人や政治家、他のアスリートを含む多くの人々が、彼女の健闘を祈り、メンタルヘルスについて語った彼女の決断を讃えている。

史上最も偉大なテニス選手の一人とされるマルチナ・ナブラチロワは、大坂の発表の直後に「アスリートたちは体のケアについて教わるが、メンタルヘルスや感情面は軽視されがちだ」とツイートした。「これは、記者会見をするしない以上の問題だ」と彼女は述べた。

フォーブスは、大坂選手が2019年5月から2020年5月までの期間に稼いだ金額を3740万ドル(約40億円)と試算していた。彼女の年収は、これまで世界で最も稼ぐ女子スポーツ選手だったセリーナ・ウィリアムズの3600万ドルを超え、女子スポーツ史上最高額を記録していた。

編集=上田裕資

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