東京五輪ソフトボール 獲るべくして獲った「金」を支えたミズノの存在

Photo by Brian Cassella/Chicago Tribune/Tribune News Service via Getty Images


マウンドはどうだったのだろう。
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「会場は、福島あづま球場と横浜スタジアムでした。日本リーグでも何度か使用された球場で慣れていたとは思うのですが、いざ本番の練習の時、硬かったりやわらかかったり、ばらつきはあったようです」

いつもとは勝手の違うマウンドに、日本の三投手は、「3人とも少し違いますが、みなさん9本歯のスパイクを使用した」という。


上野選手(左)と藤田選手のスパイクのソール ※ともに選手専用品のため、市販されていません (c) Mizuno Corporation
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「上野さんと藤田選手は安定感を気にされています。同じ9本でも、上野さんと藤田選手は踵が2本のタイプ。後藤希友投手は、前が6本、後ろが3本。ピッチングフォームを改善する中で、今回はアメリカ・タイプのものを使われました。歯の長さはマウンドの硬さに応じて使い分けられるよう、長いものと短いもの2タイプを用意していました。

後藤選手はソールよりアッパー部分を意識されていました。ミドルカットを履いていたのが、合宿途中でハイカットに変更したいと仕様変更しました。重心移動がやりやすいようにと、コーチからアドバイスをもらったようです。大会本番でもハイカットを履いています」

もう一つの最大のテーマ「暑さ対策」


今大会では、“暑さ対策”も大きなテーマだった。テレビの中継で目撃した方も多かっただろうが、日本代表の選手たちは守備を終えてベンチに戻ると、ミズノが提供した「コールドチャージベスト」をユニフォームの上から着用し、身体を冷やしていた。

「保冷剤を入れたアイス・ベストです。毎試合、みなさんが着られるよう準備していました。ピッチャーがとくに使っていたと思います。グラウンドは人工芝でかなりの体感温度になっていましたから、体温を下げるのに効果的でした」


(c) Mizuno Corporation
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文=小林信也(作家・スポーツライター) 編集=宇藤智子

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