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──「音楽配信の民主化」を通じて、どのようなことを実現させたいと考えているのでしょうか?

世界中の人たちに日本のアーティストがつくった楽曲を届けることを目指しています。ここで僕が言う「届ける」は、「普通になる」ということ。文化を届けて浸透させることが最終ゴールだと思っています。

日本の音楽を世界の人が聞いても「何これ」って思うのではなくて、K-POPみたいに、日本の曲が日本以外の国のレストランで流れていても、それが当たり前になってほしい。

これを実現させるためには、まずアーティスト自身が世界を向く必要がありますよね。そして、それを可能にする環境をつくるためには、大前提として、アーティストがフェアに戦える土壌を用意するのが先。透明性を見せるという点においても、僕らのサービスが果たせる役割が重要になると思っています。

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野田威一郎氏

──3月から中国大手配信サービスTencentとNetEaseへの楽曲提供もスタートしました。その狙いと、今後の展望について教えてください。

中国の音楽配信市場は、今急速に伸びています。音楽配信市場としては、昨年で世界第7位、ストリーミングの売上げを見ると日本(5位)を抜いて世界4位。世界に届けるという僕たちの目標を達成するためにも、非常に重要な地域だと考えています。

中国では、iTunesやApple Musicなどのプラットフォームを使える人はごく少数で、ほとんどの方たちがTencentやNetEaseが運営するローカルの配信サービスを利用しています。2015年ころまでは、いわゆる海賊版のような違法配信も多い状況でした。

僕らがTencentやNetEaseが運営するプラットフォームに楽曲提供をスタートしたことで、日本のアーティストの曲が正式な権利を持った曲として、中国のみなさんに聞いてもらえるようになった。そう言う意味で、今回の参入の意義は大きいと思っています。

この中国市場への参入をきっかけに、多くの国へアプローチしていきたいですね。

それと同時に、よりアーティストが使いやすく、ニーズに対応したサービスに進化させていきたい。

最近声が高まっているのが、プロモーションに対するサポートへの期待です。曲を配信できるようになれば、ファン層を広げていきたいと考えるのは当たり前のことですので、そのお手伝いも叶えられたら。

日本のアーティストが世界に活躍の場を広げ、さらにその収益をきっちりアーティストに還元する。世界で活躍するアーティストが継続的に活動するためのサポートを続けていきたいと思っています。


野田威一郎(のだ・いいちろう)◎1979年東京生まれ。慶應義塾大学卒。アドウェイズに入社し、メディアディビジョンマネージャーとして上場を経験。2008年に独立し、インターネットサービスでクリエイターを支援するWanoを設立。2012年にTuneCore Japanを立ち上げ、サービスを開始。

構成=島田早紀、松崎美和子 写真=林直幸(メイン)

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