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AcornsのCEOノア・カーナー(Getty Images)

投資・貯蓄アプリ「Acorns(エイコーンズ)」を運営するカリフォルニア州アーバイン本拠のスタートアップAcorns Grow Inc.は5月27日、SPAC(特別買収目的会社)との合併により株式公開を行うとアナウンスした。創業7年の同社の企業価値は今回の取引で22億ドル(約2400億円)とされ、2年前の資金調達時の評価額の約3倍近くとなった。

Acornsのアプリは約400万人に利用されており、クレジットカードやデビットカードによる決済で発生した小銭を、自動で預金やETFなどの投資に回すサービスで人気を博している。会員は、アプリの定番機能である「ラウンドアップ」を含むサービスに、月額1~5ドルを支払っている。

同社の合併相手のPioneer Merger Corp.社は、ウーバーの共同創業者のOscar SalazarやLifelockの共同創業者のTodd Davis、元E-Trade社CEOのMitchell Caplanなどのテクノロジー業界のベテランが率いるSPACだ。

さらに、今回のラウンドには、ウェリントン・マネジメントやDeclaration Partners、ジム・コールターとデビッド・ボンダーマンが設立したプライベート・エクイティ・ファームのインパクト投資部門であるThe Rise Fundなどの機関投資家が参加している。

Acornsの合併にはPioneer Merger社の株主総会での承認が必要だが、今年の下半期には完了する予定という。

米国最大のサブスクリプション型フィンテック企業を名乗るAcornsは、今年に入り巨額の合併や資金調達を行ったこの分野の注目企業の仲間入りを果たした。

今月初めに上場企業のBill.comは、わずか1年前にサービスを開始したコーポレートカードの新興企業Divvyを25億ドルで買収すると発表した。また、オンライン融資のSoFiは、1月に「SPACキング」と呼ばれる著名投資家チャマス・パリハピティヤが率いるSPACの1社と90億ドルで合併すると発表していた。

さらに、投資アプリのe-Toroも3月にSPACとの合併による100億ドル規模の上場計画を明かしていた。Pitchbookによると、2021年はフィンテック分野のIPOと合併が史上2番目の規模になる見通しで、今年に入り発表された案件の総額は約350億ドルに達している。これは、1500億ドル以上を記録した2019年に次ぐ規模だという。

編集=上田裕資

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