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海外送金を支援するフィンテック企業「Flywire(フライワイヤー)」は5月27日、ナスダック市場に上場し、株価はIPO価格の24ドルから34ドルに上昇した。ボストン本拠の同社の時価総額は約36億ドル(約3950億円)に達している。

PitchBookのデータによると、Flywireは前回の2020年初頭の資金調達時に10億ドルの評価を受けていた。2009年にスペインの連続起業家Iker Marcaide が設立した同社は、創業当時はpeerTransfer(ピア・トランスファー)という社名で、米国で学ぶ留学生が3%から5%の外貨手数料を避けつつ、学費を支払えるサービスを展開していた。

同社はその後サービスを拡大し、大学や病院、旅行会社を含む約2250社を顧客に持つ、150以上の通貨に対応するグローバル決済サービスに成長した。Flywireは昨年、総額75億ドルの決済処理を行い、400社の新規顧客と契約。2020年2月には、パロアルトのヘルスケアの決済企業「Simplee」を買収した。

2013年からFlywireのCEOを務めるマイク・マッサーロは、「私がCEOに就任したとき、この会社は米国のみに拠点を置き、教育機関の顧客しか持たず、製品も1つしかなかった。このような成長を遂げられた企業は数少ない」と、フォーブスの取材に答えた。その当時の同社の社員数は45人で、売上は200万ドル程度だったという。Flywireの現在の社員数は約500人に達している。

Flywireの2020年の売上は前年比39%増の1億3180万ドルで、2020年の最初の3カ月の売上は4500万ドルだった。ただし、これまで同社は黒字化を果たせておらず、昨年は1110万ドルの損失を計上し、2019年の損失は2010万ドルだった。

米証券取引委員会(SEC)への提出書類で、Flywireは「当社が将来的に収益化を達成するための十分な収益をあげられるかどうか、いつ達成できるかは定かではない」と述べている。しかし、マッサーロは収益化を急いではいない。

「長期的な視点で、おそらく5年かそれ以上の時間をかけて、収益化を果たせると考えている」と話すマッサーロは、今年の夏以降の海外旅行の急増により、売上が上昇すると見込んでいる。

文=Eliza Haverstock&Margherita Beale 編集=上田裕資

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