特に好きなのは、新しい細いヘッドライトと、珍しくボディカラーと同色のグリルの組み合わせだね。それに、18インチの大型ホイール。サイドを強調した力強いショルダーラインがヘッドライトからテールライトまで一直線で流れているし、空力抵抗を考慮したリアドアの内蔵ハンドルが実用的で格好良い。また、リアのクーペっぽいルーフラインと、寝かしたリアウィンドーのタッチはとてもスポーティだ。
海外ではHR-Vと呼ばれるヴェゼルは、全世界でCR-V、シビック、アコードの次に多く売られているホンダ車になる。その人気のSUVが3代目を迎えた。
外観を見ても、内装をチェックしても、実際運転してみても、ホンダの開発部がかなり力を入れたことが伺える。
先に述べたように、外観は美しい。しかし、ドアを開けて、運転席に座ると、その好印象がさらに増す。本革、アルミパネル、ソフトなマテリアルを採用したヴェゼルの内装は高級感が漂う。手動のレバーで調整できる運転席と、チルトやテレスコ機能付きのステアリングホイールが付いていることで、どの体型の人でもすぐに最適なポジションを定められる。
また、目の前の7インチのデジタル・スクリーンの中には、ドライバーが必要とする情報がすべて分かりやすく映るし、センターコンソールの9インチのナビも、旧型と比べて画質が一新されて、非常に操作しやすくなっている。アナログな僕が特に気に入ったのは、ナビ下の3つのダイアル。エアコン用のこれらのスイッチは「カチカチッ」と音がするし、動きが確実で気持ちがいい。
後部席は十分なヘッドルームとレグルームがあり、シートの部分を持ち上げてロックすると、植木などの背の高い物を楽に入れられる。ただ、後部席は本当は大人2人がけで、真ん中に人が座ると、ヘッドルームが窮屈になるので、子供を座らせる席と考えた方が良いかもしれない。
パワートレーンは、実は、フィットから引き継いでいる1.5L 4気筒ガソリン・ハイブリッドの部分が多いけど、2つの電気モーターをチューニングしてバッテリーの容量をかなりあげている。パワーユニットは純ガソリンエンジンと僕が乗ってみたハイブリッドの2本立て。ハイブリッドは1.5リッターエンジンをベースとするのは先代と同様ながら、フィットと同じ2モーター式システムの「e:HEV」を採用。バッテリー容量は48セルから60セルに増やし、1.5リッターエンジンの最高出力は98PSから106PSに、駆動モーターの最高出力は109PSから131PS、最大トルク253Nmにアップしている。WLTCモードの燃費値はFF車が24.8~25.0km/リッターで、4WD車が22.0km/リッターとホンダ側は語るけど、リアルワールドでは15-17km/Lだろう。