米調査会社ガートナーが最近実施した調査によると、社員の仕事の成果を監視するシステムを導入している企業では、社員が仕事をしているふりをする確率がほぼ倍増するという。調査は今年1月、2400人以上を対象に行われた。
リモート求人サイト、フレックスジョブズ(FlexJobs)のキャロル・コクラン副社長(人事・文化担当)は「管理側の役割は、従業員が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整えてあげることだ。自分が信用されていないように感じていると、ベストをつくすことがとても難しくなる」と指摘する。「ソフトウエアを通じた監視なしに仕事をさせてもらえるほどの信用を得られていないと感じる場合、どうすればそうした相手を信用できるのか? どうすればその物理的な安心感をつくれるのか?」
この1年間で、新たにリモートワークを始めた従業員の仕事ぶりを監視するソフトを導入する企業は増加。社員の入力履歴や検索履歴を記録したり、社員のパソコン画面のスクリーンショットを定期的に撮影したりするツールを導入している。
企業倫理に特化したコンサルタント企業バーチュー・コンサルタンツ(Virtue Consultants)の創業者、リード・ブラックマン最高経営責任者(CEO)は、従業員がそうした監視システムに不満を持っている場合、仕事ぶりを偽装するのは当然起きることだと指摘。管理側が従業員の生産性を気にするのは不合理なことではないとしつつも、監視ソフト導入前にその意図や最終目標をしっかり検討すべきだとしている。また、事前に従業員側と話し合い、疑問を解消し、導入の意図を理解してもらうことも重要だという。