ビジネス

2021.05.29 08:30

「パンデミックへの対応」が人々の企業評価に影響


評価の高い行動があまり知られていないブランドのひとつに、チキン専門ファストフード店「チックフィレイ(Chick-fil-A)」がある。全米がロックダウンに入った初日の2020年3月16日、チックフィレイは全店舗で店内飲食を中止し、ドライブスルーのみのサービスに変更した。そして、ドライブスルー専用テントを設置して対応能力を強化。ロックダウン中は、チックフィレイの多数店舗でドライブスルー待ちをする車列が絶えなかった。

チックフィレイの対応スピードとその効率性も注目された。新型コロナウイルスのワクチン接種第1弾が始まった2021年1月、接種会場となった医療機関では長い行列ができて対応しきれず、渋滞が起き、緊張感が高まった。そんな状況を目にしたサウスカロライナ州マウントプレザントの市長は、チックフィレイが交通量をうまく抑えているところに着目し、地元店舗に助けを求めた。要請を受けて店舗マネージャーが対応したこの出来事はメディアの目に留まり、「チックフィレイのマネージャー、サウスカロライナ州のドライブスルー接種会場で交通整理を応援」という見出しで報じられて話題を呼んだ。

マウントプレザント市長の話では、チックフィレイのマネージャー、ジェリー・ワルコヴィアック(Jerry Walkowiak)が「車列をうまくさばく方法を教えてくれた」という。渋滞して混乱する車列がスムーズに流れるようワルコヴィアックが工夫した結果、接種までの待ち時間が、数時間から、わずか15分に短縮されたという。

ジグソー・リサーチ最高経営責任者(CEO)ジュリー・ノックス(Julie Knox)は、「現在のような状況では、企業の行動とその伝え方がきわめて重要だ」と指摘する。「残念ながら、新型コロナウイルス感染症は一時的なものではない。影響は重大で長く続くことになるだろう」

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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