カリフォルニアにあるMGM本社(Photo by Kaelin Mendez/Getty Images)

アマゾンは5月26日、映画スタジオのMGMを84億5000万ドル(約9200億円)で買収することに合意したと発表した。ストリーミング業界で、ネットフリックスやディズニー、ワーナーメディアやディスカバリーらと競合するアマゾンは、ハリウッドの映画業界に最大の進出を果たした。

今回の買収により、アマゾンはMGMが保有するハリウッド映画の膨大なカタログにアクセス可能になり、そこには「風と共に去りぬ」や「オズの魔法使い」「雨に唄えば」「ロッキー」「羊たちの沈黙」「ピンクパンサー」などが含まれている。

MGMはまた、ジェームズ・ボンドの「007シリーズ」の映画化権を、イオン・プロダクションズと共有している。しかし、イオン社は今後も007シリーズの俳優のキャスティング権など、様々なクリエイティブ・コントロールを維持し続けるとされている。

テレビ業界でMGMは、人気ドラマ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」や「FARGO/ファーゴ」などを制作したスタジオと、プレミアムケーブルチャンネルのEpixを運営している。

今回の買収は、規制当局の承認を経て完了するとされている。

「MGMは4000本以上の映画を含む膨大なカタログを保有し、アカデミー賞を180回以上、エミー賞を100回以上も受賞している」と、アマゾンのプライムビデオ部門を統括する上級副社長のマイク・ホプキンスは声明で述べた。彼によると、今回の買収の真の価値は、アマゾンが今後、MGMの才能あふれるチームと共に再構築を行うコンテンツの「宝庫」にあるという。

今回の買収はアマゾンにとって、2017年に137億ドルを支払ったホールフーズの買収に次ぐ、史上2番目の規模となる。MGMの買収は、アマゾンがネットフリックスやディズニーに対抗するために、動画ストリーミングの強化を進める中で行われた。

アマゾンは、先月発表した2020年の年次報告書において、プライム向けのテレビ番組、映画、音楽の制作に110億ドル(約1兆2000億円)を費やしたことを発表した。この金額は、2019年の78億ドルから急激に増加していた。アマゾンはまた、今年に入りNFLと10年間の契約を結び、2023年からの木曜夜のフットボール試合の独占放送権に、推定で年間13億ドルを支払う計画だ。

アマゾンのMGM買収に先立ち、AT&Tは430億ドルの取引で、傘下のワーナーメディアを分割し、メディア大手ディスカバリーと統合して新会社を設立すると発表した。この取引が成立すれば、アマゾンやディズニー、ネットフリックスなどに対抗する新たな勢力が生まれることになる。

編集=上田裕資

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