幻覚ドラッグでうつ病治療を目指す医薬品メーカー、Cybinの挑戦

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アルコール依存症の治療も視野に


Cybinによる臨床試験のフェーズ2は、ジャマイカのUniversity of West Indies Hospitalで2段階に分けて実施される。1段階目は、40名の患者を対象としたフェーズ2a試験で、25ミリグラムのシロシビン錠剤と同等の効果が得られるシロシビン舌下錠の量を調べるというものだ。Cybinの舌下フィルムは、吸収と効果発現時間の迅速化や効果持続時間の短縮化を図るよう設計されている。第2段階は、120名のうつ病患者を対象としたプラセボ(偽薬)を用いたフェーズ2b試験だ。(患者のうち、80名には薬効成分を含むアクティブを、40名には偽薬が投与される。)

シロシビンは、脳のセロトニン5-HT2A受容体を刺激するトリプタミン系化合物で、一定量を投与すると意識に大きな変化をもたらす。ジョンズ・ホプキンズ大学やインペリアル・カレッジ・ロンドンによる研究によると、幻覚剤はうつ病を含むメンタルヘルス障害の治療に大きな効果を発揮するという。

Cybinはシロシビンの試験から着手しているが、他の幻覚剤をベースにした新しい分子の開発も手掛けており、12の暫定特許を出願している。

Drysdaleによると、新しい分子はシロシビンやDMTなどの典型的な幻覚剤をベースにしているが、持続時間が短かったり、副作用が少ないなど治療に最適化されているという。Cybinは、今年後半に3〜4つの新物質を用いた臨床試験を行う計画だ。

そのうちの1つで「003」と呼ばれる物質は、作用時間が短いトリプタミンを改良したもので、アルコール依存症の治療を目的にしている。Cybinは、患者が幻覚症状を体験する時間を削減したいと考えている。「我々は、治療期間の短縮化を目指しており、かなり制御できるようになってきた」とDrysdaleは述べた。

編集=上田裕資

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