仮想通貨の情報サイト「コインデスク」が開いた年次会合で、7日に収録されたインタビューが公開された。ダリオがビットコインへの投資を明らかにしたのは初めて。
ダリオはインタビューのなかで、インフレヘッジとしては「個人的には債券よりビットコインを保有したい」と語った。一方で「ビットコインにとって最大のリスクはその成功だと思う」と述べ、投資家の需要急増は規制強化を招く可能性が高いと警戒感をにじませた。
ダリオは昨年11月には、ツイッターで「気づいていないことがあるかもしれないので、訂正は歓迎する」と断ったうえで、ビットコインが失敗しそうな理由をいくつか列挙していた。
新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)の間、個人投資家から機関投資家まで、多くの投資家が長期的なインフレ懸念への妥当な備えとして、仮想通貨を選好するようになっている。ダリオのツイートから数カ月の間にも、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー、テスラなどが相次いでビットコイン関連サービスを発表している。
一方、ダリオがインタビューで示した懸念はすでに現実のものになりつつある。中国は最近、国内でのマイニング(採掘)活動などを制限し始め、ジャネット・イエレン米財務長官は先週、ジョー・バイデン政権の徴税強化策には仮想通貨に関する新たな報告義務も含まれることを明らかにしている。
ダリオのインタビューが流れた24日、ビットコイン価格は約3万7775ドルと1日で11%反発した。ただ、直近のピークに比べるとまだ40%あまり低い。仮想通貨市場は中国での規制強化などを受けて、今月の高値から50%超落ち込んでいる。