紛失防止トラッカー「AirTag」と1カ月。出番がないのはいいことか

見分けが難しいAirTag。デザインや素材が違うアクセサリーに装着して使い分けたい


実家の固定回線に電話をかけて、母にiPhoneの画面を見てもらいながらAirTagの初期設定をナビゲートした。母の飲み込みも早く、特に迷うこともなく導入が完了。「探す」アプリからAirTagの音を鳴らして、宅内で見失った持ち物を探す方法も会得したようだ。

今のところ幸いにもまだAirTagが出る幕もない。母は少し物足りなそうにしているが、本当に落とし物や失くし物をして困らぬように転ばぬ先の杖を用意することの大切さもわかってもらえているようだ。


AirTagとiPhoneのペアリング設定はとても簡単。離れて暮らすシニアの家族にも使い方を教えやすい

もし筆者が母と同居していたら、筆者のiPhoneにペアリングしたAirTagで母の持ち物を管理してもよかったのかもしれない。宅内であれば大事な習い事の道具入れやメディカルボックスなど、家の中で置き場所が時折変わって見つけにくくなるものを、母に代わって管理もできるからだ。


家の中でAirTagを装着した持ち物が見当たらない時は、iPhone 11シリーズ以降(第2世代のiPhone SEを除く)が対応する「探す」アプリの「正確な場所を見つける」機能が便利

今のところ1台のAirTagを家族がシェアして使うことができない。ファミリーカーの鍵に付けてそれぞれが乗って出かけた時になくさないように活用したり、または旅行用スーツケースにAirTagを付けて旅の安心を得たいこともあるだろう。例えば1台のAirTagに複数のユーザーを登録して、「探す」アプリから1人のアクティブユーザーを切り換える使い方ができないだろうか。アップルにぜひ検討してほしい。

不正なトラッキング防止という課題


AirTagが不正に利用されないように、持ち物として登録しているユーザー以外の人物が持ち歩くと「不正なトラッキング」が行われていると判定される。AirTagを持たされている人物がもしiPhoneユーザーならば、一定の時間が経つと注意を促すセーフティー通知が届くか、またはAirTagがアラームを鳴動させると、アップルがAirTagの製品紹介ページなどで説明している。

ところが、今のところ一定の時間が経過しないとアラーム音が動作しない仕組みになっているようだ。となれば、不正なトラッキングを未然に防ぐためにもう一歩踏み込んだ機能改善が必要ということになる。
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文=山本 敦

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