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美容ジャーナリスト・齋藤 薫さんが「Marisol」で連載中の美と人生への処方箋。今回は、「闘う女の怒り」について。メーガン妃の強すぎるメイクに表れた、“怒りの人”が持つ野心とは?


メーガン妃がついに語って数カ月、今も波紋が続いている。世界68カ国で放映された注目のインタビュー。案の定それは、王室との“精神的な決別” をも決定づけるものになったが、最初に気になったのがじつは強すぎるメイクだった。黒々した囲み目が彫りの深い顔をきつく見せ、いかにも挑戦的な気配を作っていたのは意図的なのか。好感度を高めたいなら逆効果だったと言わざるを得ない。

また、いつもとは様子の違う“黒に白の大輪の花”をあしらった重めのドレスは強引なまでの貫禄を示し、明らかに王室的ノーブルさを否定した上に、いつものセンスを感じさせなかった。

とどめは、まだしもこの人を魅力的に見せていた笑顔が消え、多くの時間を不機嫌そうな面持ちで「王室が言うことは嘘だらけ」「生きていたくないと思うこともあった」などのネガティブな発言に終始したこと。だから、この人は一体何を求めているのだろうと不可解に思ったのの。何の得もしないのにと。

その真偽は別として、悪口や不満はこんな公の場で滔々と語るものではない。罵倒はいつもブーメラン。面と向かって人を攻撃すれば、必ず自分に返ってくる。せっかく世界中が注目しているのだから、もっと自分の魅力をアピールする場にしたらよかったのにと思うばかり。

ただ一つ腑に落ちたのは、この人が12歳の時に家電のCMの「女性を楽にする」という表現は女性差別だと怒りを覚え、当時弁護士だったヒラリー・クリントンに手紙を送りつけ、CMコピーを変えさせたという凄い経歴があること。少女の頃から怒りの人。野心的なクレーマーと言ってもいい。

つまりこれは英王室が、“相手構わず闘う女”を花嫁にしてしまった結果に他ならない。闘わずには済まない人を敵に回してしまった必然なのだ。そう考えると、このインタビューこそが彼女にとって一世一代の晴舞台だったはずで、ならば怖めのメイクも頷ける。

文=齋藤 薫 撮影=John Chan スタイリスト=郡山雅代(STASH)

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