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2021.05.24 16:30

グーグルのEコマース主任が提示したアマゾンとの戦い方


「グーグルとアマゾンの最大の違いは、広告事業における経験だ。グーグルは20年間に渡って広告事業に携わっており、同社の製品の方が格段に高機能だ。しかし、アマゾンも急速に差を縮めている」とFeedonomicsの共同創業者でチーフ・アーキテクトのBrian Roizenは話す。Feedonomicsは、アマゾンやウォルマート、ターゲットなどの大手リテーラーやブランドが商品のリスティングを管理したり、最適化することを支援するプラットフォームだ。

AIモデル「ショッピング・グラフ」の強み


アマゾンは、広告収益の詳細を開示していないが、第4四半期の決算資料には、広告事業を含む「他のカテゴリー」の収益が70億ドルだったことが記載されている。グーグルは、広告を無料化した代わりに、莫大な数のユーザーの存在によって多くのマーチャントがプラットフォームに登録し、さらに多くのユーザーを呼び込むことを期待している。

グーグルは在庫を自社で持たないなど、従来のオンラインリテーラーとは異なる面もあるが、分類されたリスティングや過去の行動履歴に基づく商品の提案、ショッピングカート、検索結果から商品を購入できる「Buy on Google」など、オンラインリテーラーらしい機能を提供している。

こうした取り組みは、グーグル広告の収益を向上させることが目的だ。昨年、アルファベットはグーグル広告で1470億ドルを稼いだ。これは、米国におけるオンライン広告出稿費の半分以上を占める。近年、アマゾンが急速に追い上げており、昨年のシェアは19%と、2019年の13.3%から大幅に拡大している。現在、オンラインショッパーの半数以上がアマゾンで商品検索を開始しており、広告主にとってアマゾンは潜在顧客とつながる上で最重要の場所となっている。

レディは、マーチャントに対してグーグルの持つデータや、データを活用したツールの開発をアピールすることでアマゾンに対抗しようとしている。グーグルは、「ショッピング・グラフ(Shopping Graph)」という、AI(人工知能)を用いたモデルを発表した。ショッピング・グラフは商品や販売者、ブランド、レビューなどを理解し、それらの相互の関係性を把握することができるという。

ショッピング・グラフは、グーグルの「ナレッジ・グラフ(Knowledge Graph)」をベースに生成され、マーチャントや他のユーザーから見ることはできない。

「Eコマースに関連するモデル化やデータ量が我々の強みであり、それらを特定の製品や機能を通じてマーチャントに提供していく」とレディは述べた。

編集=上田裕資

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