アマゾン施設で複数の「首吊り縄」が発見、ヘイトクライムの疑い

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アマゾンは、コネチカット州ウィンザーに建設中の施設において、ヌース(noose)と呼ばれる絞首刑に用いられる縄が発見される事件が相次いだことを受けて、この施設の建設を一時的に中止した。現地では、過去1カ月の間に少なくとも7本の同じ形状の縄が発見されており、地元警察がFBIの支援を受けて調査を進めていた。

ABCニュースによると最初の縄が見つかったのは4月27日で、工事の現場監督が施設の2階のフロアの天井からハングマンズ・ヌース(hangman’s noose)と呼ばれる首つり縄が垂れ下がっているのを発見したという。さらに、その2日後にも合計5本の縄がビル内の複数のフロアで見つかっていた。


同じ縄は、最も最近では5月19日に発見され、従業員らが昼食の休憩を取っている間に、何者かによって天井の梁からかけられていたという。アマゾンはこれを受けて21日に声明を発表し、「今回の事態に非常に困惑している」と述べ、犯人の特定につながる情報の提供者には最大10万ドルの報奨金を与えると述べた。

警察によると、この施設には数百名の労働者らが出入りしているが、事件を暗示するメッセージやマークなどは発見されていないという。しかし、公共ラジオNPRの取材に関係者の一人は、黒人差別の象徴とされる南部連合旗のマークがついた帽子を着用したり、人種差別的な発言を行う労働者が居たと発言している。

公民権団体NAACPの地元支部は、記者会見でこの事件がヘイトクライム(憎悪犯罪)だと記者会見で述べた。「我々は7番の縄が見つかったことに非常に憤慨している。このような形態のヘイトクライムは、米国社会に消し去り難い汚点を残している」と彼らは主張した。

19日に発見された縄は、さらなる調査のために州の調査施設に送られる予定で、ウィンザー警察は、今回の事件に関するいくつかの手がかりを追跡していると述べた。一方で、NAACPはアマゾンと話し合いの場を持ち、現場で働く労働者の声に耳を傾ける予定という。この施設は当面の間、閉鎖される見通しだ。

編集=上田裕資

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