これを受け、米疾病対策センター(CDC)はこのうち4会場を一時閉鎖。会場で発生した「副反応のクラスター」について、調査を行った。そして同月末、これらの反応はワクチンそのものではなく、接種を受ける人の「不安」によって引き起こされたものだとする結果を公表した。
各州の集団接種会場では合計8624人が、米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製の新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた。このうち64人が、目まい(56%)、顔面蒼白または過度の発汗(31%)、失神(27%)、吐き気または嘔吐(25%)、血圧の低下(16%)などの症状を訴えた。
だが、いずれも「重大な」副反応とみなされるものではなかった。症状を訴えた人の年齢の中央値は36歳で、61%が女性。また、1カ所の会場を除き、これらの「副反応」が報告されたのは、接種開始の初日だった。
13人は病院に運ばれたが、同日のうちに帰宅。その他の人は、接種後15分以内に回復した。そして、この64人の4分の1は、過去にもワクチン接種後に同様の症状を起こしていた。
CDCはまた、今年3月上旬~4月上旬にJ&J製ワクチンの接種を受けたおよそ798万人のうち、接種後に失神したすべての人に関する調査も行った。その結果、接種10万回あたりの発生頻度は、8.2だったことを確認したという。
年に1回接種を受けるインフルエンザワクチンの場合、この頻度は同0.05であることから、J&J製のワクチンはその164倍ということになる。ただ、どちらの場合も、失神した人の年齢は、18~29歳に集中している。
副反応は起きても「無理はない」?
新型コロナウイルスのワクチンについて、不安との関連性が指摘されるのはおそらく、驚くべきことではない。