新型コロナウイルスのワクチン、副反応の原因には「不安」も

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CDCの報告書は、J&J製のワクチンを希望した人は、接種が1回で済むことを理由にその選択をしている可能性があると指摘している。つまり、(2回の接種を受けたくないためにJ&J製を選んだ)この人たちは、もともと不安感による副反応を起こしやすいと考えられるという。

CDCはさらに、「パンデミックが引き起こしているストレスも、ワクチンに関する不安を高めているかもしれない」と説明。集団接種が行われる状況では、不安による副反応を起こした人を目撃した人の話を聞くことや、メディアがそうした話題を報じることなども、副反応を起こす人が増える原因になりうるとしている。

誰かが失神するところを実際に見たり、経験した人の話を聞いたり、あるいはSNSの投稿を見たりすることが、連鎖反応を引き起こすきっかけになりうるということだ。

こうしたことで起きる生理学的反応は、「血管迷走神経反射」として知られる。感情をかき立てられるようなことが起きたとき(血を見た、接近してくる針を見たなど)、それが要因となって迷走神経が刺激され、血圧低下や気が遠くなる、失神するなどの副反応が起きると考えられている。

CDCはワクチン接種を行う医療従事者に対し、重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)が起きないか確認するために接種後15分間は経過を観察することとしているが、その間には、不安による副反応が起きるリスクもあることを認識し、観察しておくことを求めている。

少なくとも、CDCがこの5州での「クラスター」について調査を行い、結果を報告していることは、新型コロナウイルスのワクチン接種が進められる中、その安全性に細心の注意が払われていることを示すもう一つのサインだといえる。

編集=木内涼子

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