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新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種した人は、症状が表れる感染例だけでなく、症状の出ない感染例の発生率も有意に低いことが、今月、米国医師会雑誌(JAMA)に発表された2つの研究で示された。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)では、感染しても症状の出ない感染(無症状感染)が感染拡大の一因となってきた。今回の研究結果はまだ予備的なデータに基づくものだが、世界規模でワクチン接種を進めていくうえで非常に重要な情報だ。

研究は、米テネシー州セントジュード小児病院と、イスラエルのテルアビブ・スラスキー医療センターの各職員を対象としたもの。両病院では全職員を対象に、新型コロナウイルスへの感染を調べる定期的な検査を実施していた。それぞれの病院の研究チームは、ワクチンが提供されるようになってから最初の数カ月間、ワクチン接種を受けた人と受けていない人の検査結果を分析した。

セントジュード小児病院では、米ファイザーと独バイオンテックが共同開発したワクチンを今年3月20日までに職員2776人が2回接種、276人が1回接種し、2165人は接種しなかった。昨年12月17日から3カ月にわたってスクリーニング検査を行ったところ、ワクチンの接種者では2回目の投与後に陽性反応が出た人は10人にとどまり、症状が表れた人はゼロだった。未接種者では陽性反応を示したのは185人で、うち79人は無症状だった。

研究チームによると、2回目のワクチン投与から7日以上経過した人は、ワクチンを接種していない人と比べて感染率が90%低かった。症状が出た人はいなかった。

テルアビブ・スラスキー医療センターでは、昨年12月20日から今年2月25日まで職員6710人を調査。うち5953人はファイザー・バイオンテック製ワクチンの接種を少なくとも1回、5517人は2回受け、757人は接種しなかった。2回のワクチン接種を受けた人は、ワクチン未接種の人に比べて無症状の感染率が86%低かった。1回ワクチンを接種した人でも、まったく接種しなかった人に比べ感染率は36%低かった。

まだ初期のものだとはいえ、ワクチン接種によって無症状感染も減るという証拠は、大規模なワクチン接種の取り組みのメリットをよりはっきりさせたと言えるだろう。

編集=江戸伸禎

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