現地メディア「韓国経済」によると、NAVERは、全体の売上高の35%を海外が占める。2011年6月に日本でLINEのサービスを始めたことにより、大きなインパクトをもたらすことができた。LINEの月間実ユーザー(MAU)は、日本だけで7500万人、世界1億6500万人にものぼる(2019年時点)。*2013年、NAVERの日本法人NHN JapanはLINE株式会社に名称変更。21年からZホールディングスの完全子会社化
近年LINEは日本だけでなく、台湾、タイ、インドネシアなどでも人気が高まっている。最近はネットバンキング、暗号資産などにも機能を広げ「金融プラットフォーム」への転身を試みている。
こうして、LINEは海外進出を見事に果たしたことで、韓国での市場では競えなかったものの、カカオの需要を韓国内に封じ込めることに成功した。
一方、海外進出をLINEによって制されてしまったカカオだが、2020年の年間実績を見ると売上高が4兆1567億ウォン(4000億円)、営業利益が4560億ウォン(440億円)にもなる。30個以上もの事業を掲げ、財閥顔負けの存在感だ。ちなみに、メッセンジャー機能以外に人気があるサービスは「Kakao Pay」と「贈り物」だそうだ。
感謝の気持ちを手軽で迅速に伝えられる「贈り物」機能は、贈答文化がある韓国社会の特徴にうまく適合し、多くの人が利用している。
こうして、カカオは韓国内最大のメッセンジャーアプリ、一方でライバルであるLINEを作ったNAVERは国内最大の検索ポータルであると知られるように、サラリーマン出身の起業家たちは成長したのだ。
NAVERイ・へジンとのライバル関係は今後どうなるのか。カカオは数年後、韓国を代表する財閥へと成長をするのか──。目が離せない大企業の因縁である。
サラリーマン時代に気づいた「金を生む近道」
「インターネットの時代がくる」、「PCに加え、モバイルでインターネットを使う時代がくる」──
2度の大きな成功を収めたキム・ボムスの特徴は、「時代を読んで迅速に行動すること」だ。サラリーマン時代に気づいた、人が集まればお金が集まる法則。そして新しい時代の到来を見逃さなかった。
サラリーマンとしてサムスンSDSで働いていた時も、家族とアメリカで過ごしていた時も、「大きな時代の変わり目」に気づき、迅速に行動を起こした。
めまぐるしいスピードでトレンドが移り変わり、時代が変わっていく。コロナショックのように、突如世界の常識が変わることも私たちは経験してきた。キム・ボムスの成功を振り返ることで、改めて現代のビジネスパーソンたちに求められることを学べるのではないだろうか。
連載:Z世代が深掘り「トレンドxビジネスの世界」
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