チャットアプリだけでなく、配車サービスのKakao taxiやKakao map、Kakao musicなど、様々なサービスを展開している韓国最大のインターネットサービス会社「カカオ」。韓国では、「カカオなしでは生活ができない」と言われるほど、人々の生活に浸透している。
カカオはまさに「金を生むサイクル」を実現した会社であるが、創業者は平凡な家庭で育った大手企業出身のキム・ボムスだ。共働きの両親に支えられソウル大学を卒業したあと、ITサービスの提供を行う「サムスンSDS」に入社した。とにかく努力家なサラリーマンだった。
創業者キム・ボムスがみつけた「必ず儲かる黄金の法則」とは具体的になんだったのか。韓国のMBC NEWSが運営する、経済ニュース「14F(イルサエプ)」の動画を通して、カカオの創業者について紐解いていく。
Kakaoシリーズの代表的なキャラクター、クマのRyan(ライアン)は、Kakao Talk創業者キム・ボムスにそっくりだと言われている
「金を生む」韓国起業家の哲学
「ゲームを作りたい」──
キム・ボムスはカカオで大成功する前に、韓国でインターネットゲームのブームを起こしていた。2000年に未来の宿敵と果たした韓国最大級のM&Aだ。まず、事の発端を振り返ろう。
1998年、世間が大不況で苦しんでいた中、キム・ボムスは起業のために大手企業を飛び出した。彼はサムスンSDSで「インターネット時代のはじまり」に遭遇し、ヤフーの成功も目にしてきた。「人を集めることで儲ける機会が生まれる」と確信し、自ら安定した環境を捨てて起業した。人々の生活の一部となるようなサービスを作ることで、数多くの人を集めることができる。インターネットを使って、人を集めるビジネスについて考えた。
退職した2カ月後に念願だったオンラインゲームサイトを手がける「ハンゲーム社」を創立。韓国メディアのベンチャースクウェアによると、キム・ボムスのゲームサイトは、花札やテトリス、囲碁など一般的なオンラインゲームを揃え、サービス開始後3カ月で会員数が100万人を超えた。
ゲームコミュニティは確立できたものの、ゲーム以外の手段でさらに会員数を増やせないかと考えていた頃、ある人物がキム・ボムスに声をかけた。キム・ボムスとサムスンSDSに同期入社し、現在のNAVERを創業したイ・へジンだ。