キャリア・教育

2021.05.21 09:00

ハイヒールを脱いで、農場へ──淡路島の循環型ファームから、社会への問いを投げかける

今はまだ、小さな“タネ”のような会社だけど


代表の金子がよく話す、ある計算式があります。

それは「一人が二人に本気で伝えることを33回繰り返すと、86億人になる」というもの。2の33乗、です。

この86億人というのは、2030年の世界の予測人口。

ということは、シードベッドに来てくださった方一人ひとりが、問いを持ち帰り、それぞれの答えを見つけ、周りの二人に話し、その二人もまた自分が抱いた問いとその答えを別の二人に話す......これを33回繰り返せば、理論上、世界中の人に私たちの活動や投げかける問いが伝わるということになります。

もちろんそんなに簡単な話ではありません。

経営陣からは収益について厳しい目を向けられていますし、シードベッドの存在価値を上手に伝えられていない反省点もあります。

企業のCSRやブランディングではなく、本質を事業に取り込むことは難しい。だからこそやる意味があると思っています。私たちが見ているのは直近の売上ではなく、10年、20年先の社会。

一部上場企業で働く会社員の中から、社会に対する疑問を持つ若者が出てくるということが、実は非常に重要なことかもしれません。

企業イメージやグループ全体のつながりの中で実践していくことの難しさを日々実感しています。私たちがただ社会から離れて、自給自足の暮らしをしていても社会は大きく変わらないでしょうから。

今はまだタネのような小さな力だけど、大きな可能性も秘めていると信じて、社会に問いを投げかけ続けたいですね。


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文=櫻井朝子

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