5月16日、今季12号となる逆転2ランを放った大谷翔平(Getty Images)
相手チームの投手も賞賛する身体能力
アメリカのプロスポーツを専門に取り上げるコールド・ワイヤーという有名ウェブサイトでは、サム・ルイック記者が、大谷がいまメジャーリーグで最も注目されている理由として次の3つを掲げている。
・二刀流であることはもちろん、そのそれぞれが優れていること
・上半身が極めて強靭なこと
・大谷が常に変化し革新していること
特にこの3つ目の常に進化する大谷の革新性こそが、いまのアメリカの大谷選手への評価をひと言で表していると言えよう。
多国籍のプレイヤーによって行われるメジャーリーグでは、大谷選手が日本人であることを、ことさらに取り上げるメデイアやSNSはほとんど見られない。
その意味ではとても冷静でフェアなのだが、メジャーに来たときから打者と投手の二刀流に挑戦し、何度も怪我でその危機が危ぶまれても初志を貫き、実際にきちんと二刀流としてカムバックしてくる大谷選手への賞賛を誰も惜しまない。
いまでは、投球で生じる怪我は、通常は打撃の支障にはならないので、なんでもっと早くから二刀流を考える選手がメジャーリーグにはいなかったのかという論調にさえなっている。
同時に、二刀流を始めるだけなら誰でもできるが、そこで結果を出してくることで、道を切り拓いている大谷選手への純粋な賞賛が続いている。エンゼルスのファンサイトは大谷選手の身体能力を「Superhuman (超人)」と称賛したが、まさに的を得た指摘だったと言えるだろう。
また、悪球打ちのホームランの前日、大谷選手は敵地ボストンでのレッドソックス戦で、ツーアウトから劇的な逆転ツーランホームランを放っているが、打たれた相手チームの守護神マット・バーンズ投手は、以下のようにチームのファンサイトで賞賛している。
「大谷選手は特別なプレイヤーであり、強烈に才能があり、長い期間にわたってキャリアを重ねるだろう。わたしがいままで見てきたなかで最高に身体能力の高い選手だ」
いまアメリカでは、あの悪球打ちで証明された、日々革新を続ける大谷選手の身体能力の高さに注目が集まり、前述のレッドソックスのファンサイトにあったように「まさに大谷選手は、別の惑星からきた宇宙人」だという言い方もされている。
ちなみに、悪球打ちの翌日の18日(日本時間19日)、大谷選手は3試合連続の14号ホームランを打ち、メジャーリーグ全体でも2位の選手に2本の差をつけてトップの座を維持している。これまで投手に専念した2試合以外は、全試合で打者として出場している大谷選手だが、いまの能力を持ってすればホームラン王も夢ではない。
連載:ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信
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