ホームラン王も夢じゃない 悪球打ちで証明された大谷翔平の驚異の身体能力

ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平(Getty Images)

ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手(26歳)が、17日(日本時間18日)、今シーズン第13号のホームランを放ち、メジャーリーグ(MLB)で単独トップのホームランキングに躍り出た。

開幕以来、すこぶる調子の良い大谷選手は、これまでチームでただ1人全試合に出場しており、リーグのMVPに3度輝いているマイク・トラウト選手と並んで、エンゼルスの最重要プレイヤーとなっている。これを受けて同チームのファンサイトも連日大きく盛り上がっている。

サイトでは「アメリカンリーグのMVPが誰になるか議論をしなければいけないようであれば、他にMVPなどいない」という強い筆致で書き込まれ、大谷選手の偉業が書き連ねられている。

高さ1.28メートル悪球打ちのホームラン


MLBの単独トップとなった大谷選手の17日の13号ホームランは、グランドより4.19フィート(約1 .28メートル)も高いボール球を、飛距離431フィート(約130メートル)の文句なしのホームランにしたことで、MLBの公式サイトをはじめ全米のメディアが騒然としている。

また、この言わば「悪球打ち」の無理スジぶりも、大谷選手の「勤勉で温厚な性格」と奇妙なコントラストを見せるとして、大きな話題を集めている。

MLBの公式サイトによれば、この大谷選手のホームランは、今季ではミネソタ・ツインズのウィリアンズ・アストゥディーヨ選手の地上から4.24フィート(約1.29メートル)の高さに次ぐ、2番目の悪球打ちだったと報告されている。さらに、「2008年までのデータをさかのぼると、エンゼルスでは、最も高いボール球を打った1打だった」という記録も紹介された。

FOXスポーツニュースに至っては、「ホームベースでバウンドするようなボールを投げない限り、大谷選手に打たれない秘策がない」とツイートし、ファンのみならず、野球界全体の話題として注目されている。

17日の対戦相手は、オハイオ州クリーブランドのインディアンズだったが、地元のクリーブランド・デイリー紙でさえ、「マイク・トラウトと大谷翔平、こんな大物2人を相手に戦わなければいけないのがこのシリーズのいちばん気の重いところだ」と指摘。さらに紙面でも、再度大谷選手の名前を出して、2日後には彼がピッチングマウンドに上がることにも大きな脅威を感じると表現していた。

実際、ラスベガスのスポーツ・ベディング(カジノでの合法的なスポーツ賭博)でも、今年のアメリカンリーグのMVP(最優秀選手)候補の予想では、マイク・トラウト(残念ながら負傷で長期離脱となった)に次ぎ、大谷選手が2番手に挙がっていた。
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文=長野慶太

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