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米ファイザーと独ビオンテックは今年7月に開幕予定の東京五輪・パラリンピックに出場する選手団と関係者らに、両社が共同開発した新型コロナウイルスワクチンを寄付すると発表した。

だが、世界にはいまだパンデミックが猛威を振るう地域があり、接種を受けられずにいる人たちが大勢いる。その中で、ワクチンを待つ人たちの長い列に、選手や関係者を割り込ませるべきなのだろうか?

──もちろん、そうするべきだ。選手らには接種を義務化し、策定した厳格なプログラムのもと、できる限り早急に、全員に接種を受けさせる必要がある。ファイザーとビオンテックのワクチンは間隔をあけて2回の接種が必要であることを考えれば、すぐにも接種を開始しなければならない。

なぜ優先すべきか?


東京五輪のために、どれだけのワクチンが必要になるかはまだ分からない。だが、製造する両社も国際オリンピック委員会(IOC)も、必要となるワクチンは、各国への供給分とは別に、追加で用意されると説明している。

増産できるのであれば、その分も重症化や死亡リスクが高い人に優先的に提供すべきではないかと思う人も多いだろう。もっともな考えだ。だが、それは重大な現実を見落とした考えでもある。

東京には緊急事態宣言が発出され、周辺の3県がまん延防止等重点措置の対象となっている。それでも東京五輪は、おそらく予定どおりに開催される。すでに一度開催を延期している日本は、中止するには準備を進めすぎているのだ。さらに、開催費用は260億ドル(約2兆8000億円)にのぼると見積もられており、史上最も高額の費用をかけた夏季五輪となる。

確かに、世論調査では日本の国民の過半数(読売新聞によると約60%、AP通信によると80%)が、開催に反対している。医師、看護師らによる抗議デモも行われている。それでも、開催を後押ししているのは公衆衛生に関する懸念ではなく、投じられた資金だ。衝撃的、壊滅的な出来事が起こらない限り、大会は開催されるだろう。

編集=木内涼子

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