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アンドリュー・ビアレッキ(C)Klaviyo

今から10年以上前、起業家のアンドリュー・ビアレッキ(Andrew Bialecki)は繰り返し起こる問題に直面していた。ランニングをテーマにした検索サイトを立ち上げた彼は、ユーザーがどのようにサイトを利用しているかを把握できず、サイトのカスタマイズに苦戦していた。

この問題をヒントにして生まれたのが、マーケティング支援プラットフォームの「Klaviyo」だ。「企業の多くは、まだ利用できていない大量のデータを持っている。もし、それらのデータを一箇所に集めて分析することができれば、顧客エクスペリエンスの改善につながるはずだと考えた」と、ビアレッキは話す。

彼が2012年に共同創業したボストンを拠点とするKlaviyoは、設立から数年の間は外部からの資金を入れずに、成長を遂げてきた。

Klaviyoは、顧客のトランザクションや行動データの分析を自動化し、エクスペリエンスの改善やマーケティングに役立つデータを提供する。Klaviyoが導き出すインサイトは、EメールやSMSを用いたマーケティングにも活用できる。また、同社のシステムはセキュリティ上の懸念を回避するために、顧客データをインハウスで管理する仕様となっている。

Klaviyoは、昨年11月に評価額41.5億ドルで2億ドルのシリーズC資金調達を実施したが、それから約7カ月で再び資金調達を成功させ、過去1年間で有料顧客数を7万人、無料ユーザー数を数十万人に倍増させている。同社は5月18日、シリーズDで新たに3億2000万ドルを調達し、評価額は95億ドル(約1兆350億円)に達したと発表した。

今回のラウンドは、サンズ・キャピタルがリードし、Owl Rock Capitalやモルガン・スタンレー、Lone Pine Capitalなどのほか、アクセルやSummit Partnersなどの既存出資元も参加した。Klaviyoの累計調達額は6億7500万ドルに達している。

サンズ・キャピタルのマネージングパートナーのマイケル・クラークは、Klaviyoの製品主体のアプローチと、さまざまな企業がすぐに利用可能な柔軟性に感銘を受けた話した。

フリーミアムのビジネスモデルを採用するKlaviyoのユーザーは現在120カ国に広がっているが、有料ユーザーは北米と欧州に集中しているという。

新たな調達資金で、Klaviyoは徐々にサービス地域を拡大し、ヘルスケアや金融サービス、非営利セクターなどの顧客層にも重点を置いていく予定という。同社はさらにAPIを公開し、他のサービスとの連携など、柔軟な運用を可能にする計画だ。

編集=上田裕資

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