ビジネス

2021.05.24

23歳、連続起業家が教える「人生を切り拓く力」

仁禮彩香

23歳の現役大学生、連続起業家の仁禮彩香が設立した小・中・高生のためのオンライン起業家教育プログラム「タイムリープ・アカデミー」では、8カ月のオンライン教育を国内外に住む小学校5年生から高校3年生までの27人に提供する。Yahoo!アカデミア学長の伊藤羊一など豪華な講師陣がメンターを務める。費用は30万円ほど。安くはないが、特待生制度もあり、やる気のある生徒を集めている。

仁禮はプログラムの目的を「起業家的経験を通じて、自分の人生を自分で切り拓いていける力を育むこと」と話す。仁禮が初めて起業したのは、中学2年生の時。中学校ではインプットばかりで、アウトプットをさせてくれない。強烈な「違和感」を覚えた。

英語の授業ですら、しゃべることよりも完璧な文法を覚えることが重視されている。「仕事とは何か、社会はどういうふうに回っているのか、学校での学びはどう役に立つのかが知りたい」と、教育事業や学生・企業向け研修などを展開する株式会社を自ら設立した。

起業して何を学んだのか。「仕事では、正解がなくても、さまざまな要素を踏まえて決断することが求められますよね。答えがないことに答えを出さないといけない。これは仕事だけでなく、人生でも同じです。進路も絶対の正解はない。でも、自分が何を選んで、なぜそこに行くのか。自分を納得させる何かを決めて、それに向かって取り組む。(起業を通じて、答えがないことに対して)決断をするというプロセスを学んだんだと思います」。

それがアカデミーの提供する「自分の人生を切り拓く力」にもつながると仁禮は言う。生徒は、オンラインショップ立ち上げやイベントの開催など実践的な体験を通じて学ぶ。小学5年生の女の子は、海の環境保全のため海洋ゴミを使ったアクセサリー販売を企画した。

「自分で考え、行動して、人を巻き込む中で『何かが変わる』。そういう小さな成功体験の積み重ねが自己肯定感になり、世界を動かす力になっていくと思います」

にれい・あやか◎1997年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部在学中。中学2年生で会社を設立し、高校1年生で母校の湘南インターナショナルスクールを買収し経営を開始。2016年に現タイムリープを設立した。

文=成相通子 写真=帆足宗洋(AVGVST)

この記事は 「Forbes JAPAN No.080 2021年4月号(2021/2/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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