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フランスの製薬大手サノフィと英同業のグラクソ・スミスクライン(GSK)は、共同開発している新型コロナウイルス感染症ワクチンの第2相臨床試験(治験)で、強い免疫反応が示されたと発表した。今後数週間のうちに世界規模の第3相臨床試験を始め、今年第4四半期(10〜12月)の承認をめざす。

両社の17日の発表文によると、第2相臨床試験には成人722人が参加し、すべての年齢層で強い免疫反応が引き起こされた。安全性をめぐる懸念ももちあがらず、自然感染した場合と同レベルの抗体ができたという。

近く始める予定の第3相臨床試験では、世界で成人3万5000人超の参加を募り、南アフリカ変異株(B.1.351)などでも効果を検証する計画だ。

サノフィとGSKは昨年末、開発中の新型コロナワクチンについて、高齢者の免疫反応が不十分だったことから実用化が遅れるとの見通しを明らかにしていた。新たに両社のワクチンが登場すれば、パンデミック(世界的大流行)の収束に向けた取り組みに弾みがつきそうだ。

サノフィのワクチン部門を率いるトマ・トリヨーンフは、現在の世界的な公衆衛生危機に対応するには複数のワクチンが必要だとの認識を示し、今回のデータから、GSKと開発するワクチンも「危機への対処で役割を果たし得ることが確認された」と述べている。

サノフィとGSKは当初、新型コロナワクチンの主要供給メーカーの一つになると期待されていたが、米ファイザーと独バイオンテック、英アストラゼネカなどの後塵を拝することになった。サノフィがワクチン開発でつまずいたことは、欧州さらには世界のワクチン普及で痛手になるとともに、フランスでは「国の恥」とも受け止められた。

サノフィとGSKのワクチンは、世界保健機関(WHO)の主導で新型コロナワクチンを共同で調達・分配する国際枠組み「COVAX(コバックス)」向けに2億回分供給されることになっている。

編集=江戸伸禎

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