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今後ニューヨークを訪れる観光客は、思いがけない土産を手にできるかもしれない。それは、新型コロナウイルスのワクチン接種証明カードだ。

同市は先週、ワクチン接種が済んだ人に対する優遇措置として、地下鉄などの公共交通機関定期券の無料配布や、市内の観光名所の入場料無料化などの策を導入した。

ビル・デブラシオ市長は、州外から訪れる観光客に対して新型コロナウイルスワクチンを接種する計画の承認に向け、アンドルー・クオモ州知事と共同で取り組んでいると発表。エンパイアステートビルやタイムズスクエアなどの観光名所にワクチン接種会場を設置し、観光客に接種1回型のジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチンを無償で接種することを目指している。

米国ではワクチンの普及スピードが鈍っている。デブラシオ市長の計画は、より多くの人を新型ウイルスから守ると同時に、ニューヨークの観光収入増加の面でも得策となるかもしれない。

ワクチン接種に対する優遇措置は、多くの人が支持している。米調査会社ハリス・ポールの世論調査では、米国人の65%がワクチン接種を促すため何らかの報酬を与えることを支持した。

だがそれよりも重要なのは、ワクチン接種の促進が必要な人々の間で、こうした優遇措置が好意的に受け止められていることだ。同調査では、まだワクチン接種を受けていない米国人の57%がこのアイデアを支持。報酬がもらえるならワクチン接種を受ける可能性が高くなると答えた人は、54%に上った。

米調査企業モーニング・コンサルトが行った調査では、企業がワクチン接種者の優遇キャンペーンを行うことで接種促進につながると答えた人は58%だった。旅行者が観光中に利用するであろうサービスのうち、優遇キャンペーンがあれば利用したいと答えた人が多かったものには、ファーストフードチェーン(68%)、バーやレストラン(64%)、コーヒーチェーン(54%)、航空会社(50%)などがあった。

一方で同社の調査では、ワクチンに消極的な人が多い共和党支持者などの間では、企業がワクチン接種活動に関与すべきかどうかについての意見が二分していることが示された。ただ、米調査会社ギャラップの調査によると、自分は共和党支持者だと考える米国人の割合はわずか26%にまで減っている。そのうちの半分が企業によるワクチン接種優遇に反対ならば、消費者全体に対する割合はわずか13%の計算になる。

編集=遠藤宗生

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