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石川県加賀市が、日本初となるe-Residency(電子市民)プログラム「e-加賀市民制度(加賀版e-Residency)」を発表した。e-加賀市民制度とは、マイナンバーカードやデジタルID等と紐づけた、法令上の市民とは異なる電子上の市民に対し、様々な分野で市民に準じたサービスを受けられる仕組みを提供し、加賀市を訪れたり、いわゆる「関係人口」を増やしていこうという試みで、2021年度中の提供開始を目指すという。

なぜ、加賀市はこのような制度を始めることになったのか。

全国有数の温泉地である加賀市。人口減少が進み、日本創成会議から「消滅可能性都市」の指摘を受けるなど、その状況は深刻化していたところに、足元のコロナの影響もあり、観光客減少という大きな課題に悩まされていた。それらの課題に対するソリューションとして、加賀市の魅力をより多くの人に伝えられる施策、e-加賀市民制度が採択された。

そもそもe-Residency制度とは、エストニアで導入されたことで世界的にその名を知られることになった。2014年から導入を決めたエストニアでは、物理的にそこに住んでいなくても電子上でエストニアの住人になれ、起業や銀行口座を開設するなど市民サービスが受けられるようになる。エストニアでのビジネス登記は事実上、法人税率は0%。それにより、世界中から高度人材を集めることに成功した。

そのエストニアで電子住民プログラムのアドバイザーを日本人で唯一人務めていたのが、今回、加賀市の電子市民プロジェクトを併走するxID(クロスアイディー)CEOの日下光だ。

日下は言う。

「かつては誰も知らなかった北欧の小国エストニアが、Skypeの発祥地、そしてe-Residencyプログラムによって世界に注目され、デジタルノマドやIT人材を中心に人々の関心を集めました。

e-加賀市民は、これまで加賀市に関心のなかった人たちにも加賀市を知ってもらい、その人たちの脳みそのCPUの0.1%でもいいので『加賀市と/で何ができるか』を一緒に考えてもらえる全国区のコミュニティ作りでもあります。これまでの自治体にない、チャレンジングな飛び道具的取り組みになるのではないかと思います。

このような施策を、これまでの行政のイメージであった、『遅い意思決定』『失敗を許容しない、または認められない』『前例主義』などを良い意味で覆し、チャレンジするスタートアップ的姿勢が加賀市の魅力の一つでもあり、エストニアのカルチャーとも似ていると感じるところです」

文=谷本有香

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