どんな会場にも対応するリモートコンテンツの可能性
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──現在、新型コロナウイルスの影響で、リアルなスポーツ観戦がなかなか難しい状況ですよね。そんな中、リモート観戦が世の中に浸透しつつあり、いろいろな可能性が出てきています。「Swarm Arena」は会場の規模や場所は関係なく活用できるのでしょうか?
千明:はい。それも大きなポイントとなっています。リモートコンテンツの見せ方として、例えば埼玉スーパーアリーナに集まってパブリックビューイングで見る、という方法がありますよね。そういった大規模なものから、もっと小さな場所でも見せられる小規模のものまで、どちらも対応できるのが「Swarm Arena」なんです。
日本みたいになかなか手軽に広い場所が確保できない状況でも、このシステムならどこでも表現できる。それこそ現在のコロナ禍の状況で感染のリスクを考えて、たくさん人が集まる場所は避けたいときに、もっと小規模で少人数、安全を確保した上で観戦する、という色々なスケールに対応できると考えています。
──表現方法も場所も自由度が高いこのような観戦体験は、コアなスポーツファンでなくとも、さまざまな人が気楽に楽しめそうですね。
山口:公共のスペースにおいて情報を人にどう伝えていくのか、その可能性を広げる研究の一つの形として「Swarm Arena」があるのかなと思っています。我々も模索している途中なのですが、さまざまな可能性を持ったデバイス、システム、プロジェクトだと考えています。
これをきっかけに観戦する人が新しい楽しみ方を見つけて、興味を持ってくれる人が増えていけば面白いですね。通常のテレビでは伝わらなかった、何かを感じていただける方が多くなると嬉しいです。
スポーツの楽しみ方に新たな視点を加え、見方を180度変えてくれる「Swarm Arena」。話を聞いているだけでワクワクする夢のような話だが、実現に向かって着実に進んでいる。
テクノロジー×アートによって、どこまでも広がるスポーツ観戦の可能性。今から体験するのが楽しみで仕方がない。
連載:SOCIAL CHANGE with SPORTS