同プログラムは、回収されたプラスチック部品を新たな製品にリサイクルすることで、見向きもされなくなった古いおもちゃに第2の人生を与えることをうたっている。
玩具メーカー主要3社(マテル、ハズブロ、レゴ)は近年、サステナビリティに向けた取り組みを進めている。サステナビリティは、玩具メーカーの主要顧客であるミレニアル世代とZ世代にとって最大の関心事だ。
レゴは2019年10月、各家庭が古いレゴブロックを簡単に学校に寄付できるようにするパイロットプログラムを米国で開始した。このプログラムは大成功を収め、2020年には対象地域をカナダに広げた。
ハズブロは2019年8月、プラスチック包装を2022年末までに廃止することを宣言。マテルは2019年12月、2030年までにすべての製品とパッケージを100%リサイクル素材、リサイクル可能素材または生物由来プラスチックに転換する目標を掲げた。
マテルのプレバック・イニシアチブでは、レゴのリプレイプログラムと同様に、古いおもちゃをマテルに無料で返送できる配送ラベルが提供される。なお、現時点ではバービー、マッチボックス(ミニカー)、メガ(ブロック)だけがリサイクル対象となっている。
レゴのプログラムは、古いブロックを洗浄した上で、学校や慈善団体の子どもたちに寄付するものだ。一方、マテルは回収したおもちゃを選別し、リサイクル処理をおこなう。同社は発表時の声明で、「マテル・プレイバックでは、新しいおもちゃをつくるリサイクル素材として再利用できない素材については、ほかのプラスチック製品に素材をダウンサイクルするか、廃棄物をエネルギーに転換する」と説明している。
マテルのグローバル・サステナビリティ部門責任者パメラ・ジル=アラバスター(Pamela Gill-Alabaster)によると、プレイバック・プログラムの対象を、いつ他の自社ブランド製品に拡大するかについては、まだ具体的な見通しは立っていない。
「マテル・プレイバックは、親たちや保護者に対して、貴重な素材が活用され、埋立地に放置されないことを約束するものだ」と、ジル=アラバスターは言う。「世界で増大するゴミ問題に取り組むための重要な一歩だ」