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Scott Heins/Getty Images

株価が低迷し、暗号通貨市場が急落に襲われる中、アナリストは注目のSPAC銘柄やクリーンエネルギー株などの高リスク株が、弱気相場に近づいていると警告している。

JPモルガンのアナリストは、5月17日のレポートで、世界の株式が4月と5月のピークから2.5%しか下落していないにもかかわらず、ハイテク株の多いナスダックを含むいくつかの株価指数がその約2倍も下落したことを指摘した。さらに、その背景に「市場の割高感とインフレの進行」があるとした。

また、今年に入ってから約3倍に成長した暗号通貨市場も、先週水曜日の高値から約18%も急落した。これは、ビットコインを支持してきたイーロン・マスクが、ここに来て否定的なツイートをしたことが主な原因だ。

一方で、クリーンエネルギー関連銘柄は昨年、気候変動対策のための先進的な法律の制定を期待して3倍に上昇したが、1月以降はハイテクセクターの低迷や、この分野のプロダクトを製造するための部品価格がインフレによって上昇したことから、35%以上も下落している。

さらに、ルネサンスIPO ETFのデータによると、パンデミックの最中に華々しくデビューしたエアビーアンドビーやコインベース、DoorDashなどの新規上場銘柄は、1年ほどの間に100%以上の上昇を記録した後、今年2月にピークを迎え、それ以降は26%下落している。

また、SPAC(特別買収目的会社)と、SPACが上場させた企業の状況はさらに悪化しており、この分野に特化したETFのSPAKによると、2月の高値から平均で約38%も下落している。

この大幅な下落は、破壊的テクノロジーに投資するファンドで、テスラを最大の投資先とするARKイノベーションETFが2月以降に経験した34%の急落と一致している。

JPモルガンのアナリストは、「これらの動きはすべて、市場が割高になったときに起こる連鎖反応と一致しているが、株式市場のエコシステムは、メルトダウンする運命にある原子力発電所ではない」と17日に述べた。過去の市場サイクルでは、あるポイントで暴落した「一見割高に見える資産クラス」の約80%が、次のサイクルでは以前の高値に戻っているという。

「インフレ連動債」に異例の注目


アナリストらは、米連邦準備制度理事会(FRB)による前例のないパンデミック対策が、株式やその他の資産を高値圏に押し上げたとの見方で一致している。しかし、潜在的な需要とキャッシュにあふれた経済が問題のあるインフレを引き起こし、FRBが政策の見直しを迫られるのではないかという懸念が今、市場を揺るがし始めている。

富裕層向けアドバイザリー会社Glenmedeのアナリストは、「インフレによる株式相場の調整はあり得るが、インフレによって市場の主導権が変化する可能性の方が高い」と述べ、長年市場をリードしてきたテック銘柄ではなく、エネルギーや金融などの分野のバリュー株が今年の市場をリードすると予測した。

インフレ懸念の中での投資先としては、エネルギー株や金、インフレ連動債(TIPS)などが注目されている。

編集=上田裕資

IPOアメリカ経済

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