【対談】大友啓史監督&佐藤健 「るろうに剣心」を10年続けて得られたもの

大友啓史監督(左)と佐藤健さん(右)/撮影=今井裕治


──佐藤さんは、現場で監督に提案することも多かったそうですね。

佐藤:幼い頃から見てきたキャラクターでもあるし、10年間演じてきた分、「剣心だったらこうするだろう」というのが、頭の中にあるので。

提案する時って「何を言ったか」よりも「誰が言ったのか」が重要なことが多い気がするんです。そのためには、まず自分が意見を汲んでもらえるぐらい信頼してもらわないといけない。そうなると、自分に与えられたタスクをしっかりこなすことが最低限必要なのかもしれません。

るろうに剣心
(c)和月伸宏/集英社 (c)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会

大友:健くんの20代の時間を「るろうに剣心」でかなりいただいちゃいましたからね。この10年で、何から何まで見違えるほどになりました。特に「るろうに剣心」はアクションが過酷だから、いままで積み重ねてきた経験が大きな武器になっていると思いましたね。10年「るろうに剣心」をやってきていろんな目線ができたんじゃない?

佐藤:そうですね。10年同じ役であり続けることって、ほとんどないので。

大友:いろいろな役を演じるのも、1つの役を演じ続けるのも、両方やってこそ見えるものってありますからね。10年、剣心であり続けたことは、役者人生の足かせにはならない。本人としても、この役を上回ることをやりたいと思えるだろうし。

佐藤:間違いないですね。



大友:健くんもそうだと思うけど、それはわれわれスタッフも同じ。期待と重圧がかかった作品を作り続けるのって、がむしゃらになるしかない。「るろうに剣心」に関しては、42.195キロを100メートル走の速さで走り続けているようなものでした。

とにかくひとつのことに集中しないと見えないこともある。それが1年なのか10年になるのかはわからない。3年でもいい、3カ月でもいい。どこかで1つのことを、人の10倍努力しないといけない時期がある。それは誰にでも言えることだと思います。


『るろうに剣心 最終章 The Final』大ヒット上映中/『るろうに剣心 最終章 The Beginning』6月4日(金)全国ロードショー 配給:ワーナー・ブラザース映画

文=嘉島唯 写真=今井裕治 編集=松崎美和子

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