ここでの問題は、こうした文言を書いた人物やその人物を雇用した組織と仕事上での信頼関係を築ける女性などいるのか、ということにある。女性は職場で無意識の偏見の被害を受けやすく、それだけでも大きな障害となる。だがガルシア・マルティネスによる一連の表現は、露骨で意識的な偏見があることを示している。こうした見解を持つ人が同僚や部下、あるいは単に面接官であったりするだけでも、女性にとっては非常に難しい状況だ。
幸いなことにアップルは、ガルシア・マルティネスの発言が自社の目指す多様性やインクルージョンの取り組みにそぐわないと認識したようだ。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は、テクノロジー業界での多様性向上の必要性をたびたび説いてきた。今回、採用活動で過ちを犯したものの、アップルは基本方針を固持しようとしているもようだ。
同社の広報担当はブルームバーグ・ニュースに対し、「アップルでは、誰もが尊重され受け入れられるインクルーシブかつ友好的な職場作りを常に目指している」と説明。「人々の品位を傷つけたり、差別したりするような振る舞いは許されない」と述べている。