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僕らがやろうとしている仕組み自体、今までのホテルとは全く異なるので、toC側のUXやシステムだけでなく、裏側のシステムも自分たちで考える必要があります。そうしないと、僕らが理想とする体験は実現できない。運営のあり方から考えて、そこに最適なソフトウェアを1からつくる。まさに「住まいと観光のDX」ですね。

体験とシステムの両方を作るという意味では、前職メルカリ在籍時の「メルチャリ」での経験が活きています。ハードウェアとソフトウェアをつなぐ部分のUXを担当していたので、ハードウェアをつくる難しさや、つなぐ部分の勘所がある程度わかっているというか。そこで犯したミスを最初から避けられるのは大きいですね。


自宅からホテルへの切り替えもアプリですぐ(左)。稼働率も一目瞭然だ(右)

──いまメインで動いているメンバーは何人くらいですか? なぜ少人数で強いチームがつくれるのでしょうか。

濱渦:いま7ヶ所の物件を並行で進めていますが、アプリ開発も含めてコアメンバーは7人です。そう話すと、ホテル業界の方からはビックリされますね。その人数でどうやっているんですかって。今のチームにはホテル業界のプロは1人もいません。だからこそ、常識を疑ってかかれるのかもしれませんね。

僕はもっと1人ができることを増やしたいと考えていて、それを実現するために「ラボ制度」をつくりました。社員のエンジニアが自分で予算を持って、主体的にプロジェクトを進めていける仕組みです。

エンジニアの社員が自分と相性がいい外部の人材をアサインし、その人に複業としてラボに参加してもらいます。僕ら経営陣は、その社員と、ラボ自体を評価するわけです。

今はリモートワークが当たり前になってきて、正社員と複業メンバーの境目は溶けつつある。それでも会社に所属したい人って、すごく貴重な存在です。だから、そういう人にもっと能力を発揮してもらえるような環境づくりが、これからの組織には必要だと思います。

僕らは現在オフィスを持っていないこともあり、もっと柔軟な働き方ができるはず。そんな働き方を僕らは「超自立」と呼んでいて、超自立組織になることを目指しています。

うちのエンジニアのSNSを見ていると、「今、奄美大島にいます」なんてドローンを飛ばして遊んでいる映像が出てきますよ(笑)。それってすごくいいなと思っているんです。移動を自由にする世界をつくろうとしているのに、働く僕らが自由じゃないのって矛盾しているじゃないですか。

井上:実はエンジニアチームの社員は1人です。でも、ラボに複業としてすごく優秀なエンジニアの方々が加わってくれたおかげで、ものすごいスピードでプロダクトが形になっていく。まだ実験段階ではありますが、今のところラボ制度はうまくいっているなと感じています。

濱渦:この制度をアメーバ的に他の職種にも広げていくと、組織の全体のスピードがものすごく上がるはず。10人でも100人分くらいの仕事ができるような、レバレッジが効く組織を目指せたら。

文=筒井智子 写真=小田駿一(物件パースはNOT A HOTEL提供) 編集=松崎美和子

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