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──世界中にあるNOT A HOTELで、自分の家のように過ごせるようにするためのオペレーションの特長について教えてください。

濱渦:NOT A HOTELのすべての部屋が、自分の家と同じ操作性であることは、すごく重要だと考えています。照明の明暗や好みのBGM、またNetflixの設定(毎回備え付けのTVでログインし直さなくていい)など、自宅と同じ環境に瞬時にアジャストされたら快適ですよね。

NOT A HOTELでは、それを1つずつかなえていくために、物件を建てた後も、ソフトウエアを進化させ、どんどんアップデートしていきます。



それ以外にもさまざまなものをデジタル化しようと考えていて、家の鍵もアプリの中に入っていますし、さらにゆくゆくは、テスラの操作もスマホでできるようにしようとしているんです。例えば、新幹線や飛行機でNOT A HOTELがある現地に着くと、そこに自動運転でテスラが迎えに来る。それらすべてがアプリの操作で完結できるようなイメージですね。

「世界中を自由に移動できる未来」を思い描いたとき、従来の旅行や宿泊、生活において不便なことや面倒なことってまだまだたくさんある。僕らがまずやろうとしているのは、それらの「不便なノイズ」を1つ1つ解決していくことです。

──変えていきたい不便なノイズとは、例えばどんなものでしょう?

濱渦:僕は観光が21世紀最大の産業になると信じているんですが、その観光業界のシステムって、実は昔から長い間あまり変わっていないものが多いんですよね。

たとえば、部屋にあるミニBAR。滞在中にコーラを何本飲んで、ビールとワインは何を飲んだのかを紙にチェックし、それをフロントに出して決済する……。これってすごく面倒なのに、常識になってしまっている。またチェックインするだけなのに、フロントで長時間待たされる現象も一緒です。

だからNOT A HOTELでは、チェックインをスマホでできるようにしたり、(ホテルとして借りる)部屋にあるすべてのワインの瓶にRFIDタグを付けて、コルクを抜くと自動決済されるようにしたり、サービスについて「いる・いらない」を柔軟に選択できたり、面倒な一手間やノイズをテクノロジーやDXによって解消していこうと考えています。

濱渦
NOT A HOTEL代表取締役の濱渦伸次さん

僕は日本の人口が減っていくなかで、唯一上がる可能性があるのがインバウンド需要だと思うんです。いまはコロナ禍で厳しい状況ですが、収束したらまた上っていく。それは日本だけでなく、世界中が同じように考えているはずです。

そんななかで、日本の観光業がより面白くなっていくためには、海外の有名ホテルチェーンを誘致するだけでなく、国内で新しいブランドをつくらなければならない。いますぐではないですが、いずれはNOT A HOTELに宿泊する海外の方も現れるでしょう。

海外の方は長期滞在が多いので、生活を前提につくられたNOT A HOTELは、彼らの選択肢に必ず入ってくるはず。キッチンがあり、かつ100平米を超える広さのホテルは魅力的だと思いますし、那須の物件には敷地内にヘリポートもあります。海外の富裕層の方のニーズにも応えていきたいですね。

文=筒井智子 写真=小田駿一(物件パースはNOT A HOTEL提供) 編集=松崎美和子

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