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(C)chipotle

ファストフードチェーンのチポトレは5月10日、平均時給を6月末までに15ドルに引き上げると発表した。

プレスリリースによると同社は、新規採用者および現在の従業員の時給と給与について、今後数週間にわたって賃上げを実施する。新規採用の場合、時給11~18ドルからのスタートとなる。

チポトレによる今回の発表は、2020年12月にスターバックスが発表した同様の決定に続くものだ。スターバックスは今後2~3年のうちに、米国の全従業員の時給を15ドル以上に引き上げることを計画している。現時点でこの水準に達している従業員は30%強だ。

賃上げに関してチポトレとスターバックスが先駆的な姿勢をとれるのは、直営方式であるためだ。フランチャイズ方式の場合は、各店舗のオーナーがそれぞれ異なるマーケットや利益率を追求しているため、賃上げの実施はより困難を伴う。

しかし、賃金引き上げの兆しは広くみられる。ジョー・バイデン米大統領は、2025年までに最低賃金を時給15ドルに引き上げる目標を掲げている。29州ではすでに、2009年に制定された連邦最低時給の7.25ドルよりも高い最低時給が設定されている。

レストラン業界が深刻な労働力不足に陥っている今、最低時給を15ドルに引き上げることで、採用面で短期的に大きなアドバンテージを得られる可能性がある。NGO「ワン・フェア・ウェイジ」のリポートによると、レストラン従業員の離職理由のトップ(76%)は低賃金だ。

こうした背景からチポトレは、新規採用と離職防止に力を入れる方針を明確にしており、今回の発表はそのための取り組みの一環といえる。

飲食店従業員の賃金をめぐる議論は、目新しいものではない。「Fight For $15(15ドルを目指す闘い)」を銘打った政治運動は2012年に組織されたが、以後何年にもわたって、低賃金問題に注目を集めるために多数のストライキを展開してきた。

しかし2020年、飲食店従業員が、新型コロナウイルスの高い感染リスクにさらされるエッセンシャルワーカーと認識されたことで、議論は臨界点に達したようだ。

レストランチェーンは少なくとも、こうした脆弱性に気づき、変化の必要性を認めているように見える。例えば、カジュアルレストラン「シェイクシャック」のランディ・ガルッティCEOは、欠かすことができない労働を提供してくれる従業員に感謝を示すため、時給を10%引き上げると発表した。賃上げは6月3日まで実施される。

マクドナルド米国のプレジデントであるジョー・アーリンガー(Joe Erlinger)は、第1四半期収支報告において、「直営店について、賃金・報酬体系の変更を検討しており、こうした改革を実施する外的環境や社内環境が整ったと考えている」と述べた。「我々はこうした変更を、我が社にとってすばらしい経営判断だと考えている」

チポトレの場合、変化は賃金だけにとどまらない。同社は5月10日、クルーが就業開始から3年半後に、最上位のゼネラルマネージャー職である「レストランター」に昇進できるよう制度を改定した。この職位の平均報酬は10万ドルだ。加えて、新規採用者を紹介したクルーへのボーナスとして、一般従業員の場合は200ドル、ゼネラルマネージャーおよびその補佐の場合は750ドルを支給することや、一定の業績基準を満たした従業員が、毎年1カ月分の給与に相当するボーナスを得られる新制度を導入することも発表した。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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